ボートレースやまと学校118期生 来月デビュー 九州・山口から輝け!!七ツ星

西日本スポーツ

 福岡県柳川市にあるボートレーサーの養成所「やまと学校」を3月18日に卒業した118期生25人(うち女子8人)が、5月から全国各地でデビューする。九州・山口からは「やまとチャンプ決定戦」に出場した女子の小芦るり華(18)=佐賀=を筆頭に女子4人と男子3人が、1年間の厳しい訓練を終えて新たにボートレーサーの仲間入り。将来のボート界を担う若者たちを紹介する。 (橋口文子)

 ●小芦るり華 卓越した勝負根性 チャンプ決定戦 6着に悔し泣き

 「一生涯レーサー」。そう覚悟を持ってボート界に飛び込んだ小芦るり華(おあし・るりか)の勝負根性は折り紙付きだ。高校時代はフェンシング部で総体団体3位などの実績。そこで養われた負けん気の強さは、やまと学校の最終決戦「チャンプ決定戦」でも表れた。最下位の6着に敗れて、悔し涙をぽろぽろ。勝率6・16という上位の成績を残したが、それは決してゴールではないことを自覚するからこそ落ちた涙だ。

 親がボートファンだった影響もあって受験したやまと学校は、1度目でパス。訓練は「最初は苦しかった」が、「レーサーになるという強い気持ちがあったので乗り越えられた」と、ここでも根性を発揮。リーグ第6戦ではVも果たした。

 レーサーOBの荘林幸輝教官は「まくる旋回がもっとできると、まだまだ成長する」と確約。さらに「エンジン抽選運がいい」と、練習で身に付くものでもない、持ち合わせたスター性の一面も明かした。

 佐賀支部では現役3人目の女子選手。「佐賀は女子が少ない。活躍して有名になって、後に続く女子を増やしたい」。尊敬する選手は同じ九州の日高逸子。日高のように、支部だけでなく業界を代表する女子を目指す。


 ●吉田翔悟 2世が水上で躍動

 吉田翔悟(よしだ・しょうご)は、元レーサーの博憲を父に持つ2世選手。高校では野球部で主将。3年の夏は県予選で準優勝を遂げた運動能力と統率力の持ち主だ。

 格好良さをずっと感じていた父の後を追うと決めたのは、大学卒業前の就職活動中。改めて観戦し、「迫力がすごい。チャンスがある以上、自分もやりたい」。企業でなく勝負の世界を選んだ。

 ただ、何度受験しても吉報は届かず「くじけそうになった」。そして6度目で合格。つらい時期を経ただけに、厳しい訓練も「ボートに乗れることがとにかく楽しかった」と水上で躍動した。

 デビュー後も「事故は少なく、数多く走りたい。A1級になって息長く活躍したい」と、走ることにやりがいを見いだす。力量は荘林教官が「いいハンドルが切れる」と太鼓判。これから何遍でも、全国の各地で水上での勇姿を披露する。


 ●末武里奈子 教員を選ばず転換

 大きな方向転換。末武里奈子(すえたけ・りなこ)は、夢だった「体育の先生」へと順調に歩みを進めて教員免許も取得。そこから、ボート界へと進路を取った。

 きっかけは大学2年。「自分はこのままでいいのか」と自問する中でレースを観戦。少女時代に父からレーサーを勧められた際には興味を持てなかったのに、この時は「一気に引き込まれました。男女平等に争えて、勝負がはっきり決まる点に魅力を感じた」。国体出場など大学までソフトテニスで活躍したハイレベルの競技者は、自らが輝ける場所を自然と理解するようになっていた。

 北九州市出身だが、今村豊が父の知人という縁があって山口支部に所属する。「どんな時でも前を抜こうとするのが今村さん。自分も最後まで諦めない選手になりたい」。先生でなくても、その姿勢は必ず次世代への手本になる。


 ●新開航 集中力で大海原へ

 新開航(しんかい・わたる)は国立大理系からのボート界入り。幼少時からスポーツ好きで、高校までは野球部で白球を追った。その後、宮崎大へと進学し、在学中に今度はやまと学校に一発合格。「自分の小柄な体格(身長162センチ)が生かせるスポーツで、選手寿命も長い」。この競技ならではの魅力を大いに感じ取って籍を移した。

 目立つ学歴だけでなく、やまと学校では勝率5.89で8位と、操縦面でも好成績を残した。荘林教官も「うまさがある」と採点。その上で「まとまり過ぎで豪快さがないので、脱皮していければ…」と変身を促す。“思い切り”という若者の特権をフル活用できれば、もう一段のステップアップは確実だ。

 集中力は抜群で「短所にも長所にもなるぐらいに、し過ぎるほど」。とことんやり抜く気概を推進力に、人生の新たな航海へとこぎだす。


 ●円井勇輝 名を売って親孝行

 「有名になりたい」「親孝行がしたい」-。そんな希望をかなえられる職業は? 円井勇輝(まるい・ゆうき)が導き出した答えは、全国を転戦しながら高収入を稼ぎ出すボートレーサーだった。「徳山でレースを見て、格好いいと思った。夢はほかになかったので、合格した時にはホッとした」。わずか2度目の受験で、いちずな思いを実らせた。

 憧れの選手は中学の先輩に当たる森野正弘。森野がOBとして中学校へ講話に来たことも強く印象に残っているという。「自分もスピード旋回ができるように頑張りたい」と、鋭さに定評がある先輩のようなレース運びがデビュー後の目標だ。

 将来の姿として思い描くのは「唯一無二のレーサーになること」という大きいもの。「やる時はやる人間なので、自分に甘えずに努力していきたい」。自らを律して、壮大な目標を実現させる。


 ●戸敷晃美 姉の思い受け継ぎ

 姉の夢が自分の夢へ-。戸敷晃美(とじき・あきみ)は、14歳上の姉の影響でボート界を志した。「姉も目指していたけどなれなくて…。いつの間にか自分がなりたいと思っていました」。姉の無念も背負っての受験は一発合格。今、姉妹の夢が実現した。

 高校まで没頭したテコンドーは2段の腕前で、九州大会優勝や全日本強化指定選手に選ばれた実績も。ボートレースに大事な要素も自然と身に付いた。「プラス思考なので、メンタル面は問題ないです!」と本人が胸を張れば、荘林教官も「ガッツがある。差すよりも外をまくろうとするレース内容がいい。リーグ戦の勝率以上の力がある」と素質を高く評価する。

 デビュー後は「まずB1級昇格」が身近な目標。ゆくゆくは「自分が目標とされるレーサーになりたい」。柔和な笑顔に強い意志を携えて、艇界のトップを目指す。


 ●山本宝姫 CM見てとりこに

 小学4年で見たCMから、山本宝姫(やまもと・ともき)の夢はボートレーサーと決まった。「優勝賞金1億円というグランプリのCMで興味を持った。それから福岡ボートで観戦して圧倒された」と、すぐとりこになった。

 その後も積極的にレース場へ出向き、水面を体験。「下関ボートで何度もペアボートに乗りました。下関では他にも、レーサー試験の“模試”も受けた」。その縁で「恩返しができたら」と、福岡県筑紫野市出身ながら山口県の窓口を通じて出願し一発合格。山口支部に所属する。

 訓練当初から優秀で、今後の飛躍も荘林教官が保証する。「頭が良く、自分の旋回を客観的に見られるので、もっと伸びる」。目標選手は松井繁で「最高峰のグランプリの舞台に毎年立つ姿に憧れる」。近づくためにも、掲げる目標は「SGタイトル獲得」。持ち前の精神力で成し遂げる。

=2016/04/26付 西日本スポーツ=

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