火消し寺原 逆転呼んだ 4日間で2勝

西日本スポーツ

 ■森福を助けた
 
 プロ15年目の右腕がピンチで燃えた。1点を追う8回。2番手森福が連打を許して1死一、二塁。4番ウィーラーを迎え、寺原の出番が回ってきた。「人が出した走者は絶対にかえせない」。まずは外角への鋭いスライダーで二ゴロ。走者は二、三塁に進んだが、2死までこぎつけた。

 好機に強い5番今江にも魂の投球が続く。4球目にこの日最速の149キロを計測し、最後はフルカウントからのスライダーで空振り三振。「いい感じで曲がってくれた」とマウンドで右手を握りしめた。直後に中村晃が逆転2点打。8球でチームを救った寺原に今季2勝目が転がり込んだ。

 3日の日本ハム戦でも9回2死満塁のピンチで登板し、中田を空振り三振に仕留めて今季初勝利。「接戦で投げさせてもらっている。全力で、点を取られないようにすることだけを考えている」。昨季一度もなかった走者を置いた場面での登板で結果を残している。

 今季は一昨年に手術した右膝の状態を考慮されて、宮崎春季キャンプからB組(2軍)でスタート。「絶対に焦るなよ」。視察に来た工藤監督からは口酸っぱく言われた。疲労の蓄積はもちろん、寒さも古傷にとって大敵だからだ。首脳陣は1軍昇格の時期を4月下旬までじっくり待った。

 ■監督信頼絶大

 今季3度目の登板だった4月30日の西武戦で2失点し、ベンチの期待を裏切った。その映像を見て気付いた投球フォームのずれはすぐに修正。2日には札幌への移動を前に右膝に負担を軽減する注射をした。工夫を重ねて登板を続け、4日間で2勝を手にした。

 逆転に成功した8回の攻撃時も、9回の続投に備えてベンチ前でキャッチボールをしていた。「彼には長いイニングや回またぎでもいく、と伝えている。ああいうところを抑えてくれたらね」。工藤監督も絶大な信頼を口にする。「どんな立場でも1年間しっかり投げられたらうれしい」。背番号20は惜しげもなくウイニングボールをファンに手渡した。 (谷光太郎)

=2016/05/07付 西日本スポーツ=

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