先発の総合力 ホークスが上 猛追ハムすごいが動じることはない

西日本スポーツ

 ■最大のポイントは週末3カード
 
 貯金30で折り返した工藤ホークスが、きょう18日から勝負の後半戦に臨む。3連覇に向けて最大のポイントになりそうなのが、7月と8月の週末に3カード(計9試合)組まれた日本ハム戦だ。一昨年までホークスを率いた本紙評論家の秋山幸二氏(54)は球宴前の15連勝で猛追してきた「北の脅威」を認めつつ、相手がどこであれ、常にカード勝ち越しを目指す「2勝1敗ペース」の戦いを支持。質量ともに上回る先発投手陣の差が最後はモノをいうと指摘した。


 ■尻回りも大きく有原の成長には驚かされた

 今年の日本ハムは旗印を鮮明にしている。「ホークスしか見ていない」と公言する栗山監督だけに、全部勝つ決意で、この3カードに挑んでくるだろう。昨年は6、8、9月と3度の3連戦3連敗を喫して独走を許しており、その悔しさが相当強い、と聞いたこともある。球場で会うたびに「栗山さん、(3連戦は)2勝1敗でいいんじゃないですか?」と声を掛けても「うん、うん」とうなずくだけ。逆に強い思いを感じたよ。

 昨年と違うのは、計算できる先発投手が増えたこと。特に有原の成長には驚かされた。今年最初に見たとき、大きくなった尻回りが印象的だった。下半身がどっしりとして、上半身はリラックスした状態で投げられている。肩、肘、指先と順番に使えて、腕をしっかり振れている。ボールを自在に操れているから、制球で苦しむこともない。

 大谷も投手として、さらに一皮むけた。栗山監督によると、春先は「真っすぐ主体」や「変化球を多め」など、試合ごとにテーマを設定していたという。当初は、真っすぐ主体でいこうとするとスライダーなど変化球までスピードが速くなったり、逆に変化球をメインにしようとすると今度は真っすぐが走らなかったりして、緩急をつけられずに苦しんだそうだ。そこから登板を重ね、イメージと実際の球が一致するようになってから成績も付いてきた。体で覚え込んだのだろう。攻略は容易ではない。

 打つ方では、一発のあるレアードが得点源の一つになって、打線全体に落ち着きが出た。もともと足を使えるチーム。4番の中田や陽岱鋼に加えて、レアードも走者をかえす役目を果たせるようになり、バランスが取れるようになった。

 栗山監督がすごく勉強されていることも強さの理由だと思う。前半戦の15連勝中に中田に代打を送り、翌日にはスタメンから外したことがあった。4番打者に対してなかなか決断できることではない。選手の状態をしっかり把握しているだけでなく、選手との信頼関係があるからこそだ。

 ■1番バッターはフォーム固まった今宮でも面白い

 日本ハムの追い上げには敬意を表する。実際にホークスが唯一負け越している強敵だが、夏場以降の後半戦で特別扱いする必要はないだろう。先発6人の総合力はホークスが上回っている。日本ハムが大谷と有原を直接対決に起用して勝ち越したとしても、この2人を使えない別のカードで負け越したら、ゲーム差が一気に縮まることはない。

 ホークスは武田、和田、千賀、東浜の先発陣に岩崎が加わり、大隣も戻ってきた。ファームでは中田、そして摂津がスタンバイしている。体調が万全ではないバンデンハークを欠いても、これだけの陣容を整えられる。球宴前のロッテとの2連戦では武田と千賀が責任回数を零封。自信になったことだろう。

 中でもホークスの強みと感じるのは、大隣の経験値だ。優勝を決めたレギュラーシーズン最終戦、そしてポストシーズンと神懸かった快投を続けた2年前、彼には「勝たなければ」という重圧よりも、野球人生を左右しかねない難病を克服して投げられる喜びが勝っていた。だからこそ、自分の投球に集中できた。肘の手術から復帰した今回も大いに期待できる。

 私が監督のときは先発を8人用意するようにした。6人で乗り切るのが理想だが、どんなアクシデントが起きるか分からない。シーズントータルを見据えた危機管理は不可欠だし、工藤監督もしっかりと準備を進めてきた。これは6連戦が続く8月以降の戦いで生きるとにらんでいる。

 最後に打線にも触れたい。球宴前に工藤監督は松田を1番で使ったが、後半戦は今宮でも面白い。初回の先頭打者はがんがん振っていける選手の方がいい。松田も適性は十分あるが、私は気分転換やチームの起爆剤的な意味合いが強かったと思っている。今宮はフォームが固まってきた。コンスタントに打てているし、今までとは違う。その辺りの工藤監督の選手起用にも着目したい。

=2016/07/18付 西日本スポーツ=

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