けが、重圧乗り越え連覇 敬愛 支えた家族歓喜

西日本新聞

 「けがを乗り越え、よくやった」。23日の金鷲旗高校柔道大会で女子の敬愛(福岡)が接戦で連覇を決めた瞬間、会場のマリンメッセ福岡(福岡市博多区)のスタンドでは応援団が喜びを爆発させた。ここ10年で5回目の優勝。けがに泣くメンバーが少なくなく、そんな中でも常勝チームとしての重圧に耐える選手の姿を見守ってきた家族やトレーナーたちは涙を浮かべた。

 歓喜の輪を目に涙を浮かべてみつめていたのは、同校のトレーナーを12年間務める理学療法士の中村雅隆さん(34)。「敬愛は強豪と言われるが、けがが多いチーム」と打ち明ける。

 主将の小柳穂乃果選手(3年)は昨年の金鷲旗決勝で痛めた両肩が完治しておらず、全試合で中堅を務めた新森涼選手(3年)も2週間前に足首を痛めていた。都留麻瑞(まみず)選手(2年)と中原爽(さわ)選手(2年)も大会直前、けがで練習ができない時期があったという。

 不安げな選手たちに「焦ったらだめだ」と声をかけ、自転車型のトレーニング器具やダンベルを使う練習などをつきっきりで指導。この日も会場で選手全員の脈を測り、畳に送り出した。中村さんは「けがを悪化させないでという気持ちと、勝ってほしいという思いの葛藤があったが、優勝してくれて感無量です」とうなずいた。

 優勝の瞬間、立ち上がって両手でガッツポーズをした小柳選手の父雄一郎さん(49)は「肩が持ちこたえてくれと祈りながら見ていた。娘にありがとうと言いたい。しばらくは治療に専念してほしい」と気遣った。新森選手の母みちよさん(51)は「自分の役割は果たせたと思っているのでは。よく頑張ったと言いたい」とねぎらった。

 都留選手の父真一朗さん(44)は、自身も高校時代、けがのため金鷲旗に出場できなかった。「娘がうらやましく誇らしい。夢の舞台に連れてきてもらい、優勝も果たした。これ以上ない親孝行です」と手放しで喜んだ。

=2016/07/24付 西日本新聞朝刊=

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