阿蘇中央 大旗への一歩 地震で1ヵ月休部乗り越え 3回戦へ 大将・桑野「地元に元気を」

西日本新聞

 大旗への一歩を力強く踏み出した。初戦の関西中央(奈良)との2回戦で、阿蘇中央は先鋒の吉良夏生(3年)が、得意の引き技を駆使して5人抜き。「最後は体が動かなかったけど、仲間に楽をさせたかった」。汗を拭う吉良を、3年連続大将の桑野こゆき(同)が笑顔でねぎらった。

 前身の阿蘇時代に大会最多の10度優勝。18年ぶりの頂点を狙う今年のスローガンは「日本一のチーム力」。4月の熊本地震で学校の道場は大きな被害を免れたが、休校になったために剣道部も約1カ月間休部。寮生は全員実家へ帰った。

 南阿蘇村の自宅から通学していた主将の桑野は、休部の期間中は自宅近くの道を1人で黙々と走った。「仲間と練習を続けてきた日々が途切れ、毎日見てきた緑いっぱいの風景も土砂崩れで突然なくなった」。通学に利用していた鉄道は現在も使えず、豊田瑞樹監督の自宅の隣家に下宿中だ。

 5月半ばにようやく学校での稽古が再開。「当たり前と思っていたことが当たり前じゃないと感じ、みんなと日本一を目指せるありがたみを感じた」。練習前後には選手間でミーティングを実施した。互いに課題を指摘しあうことで稽古不足を補い、6月の全国総体熊本県予選を制した。

 一昨年は4回戦、昨年もベスト16で敗れたが、桑野は「今年は吹っ切れた」という。「何のために勝ちたいのか、今年ははっきりしている。日本一になって阿蘇を元気づけたい。強かった『阿蘇』の看板もまた大きくしたい」。一時代を築いた強豪を復権させ、地元を元気づける。

=2016/07/26付 西日本新聞朝刊=

PR

玉竜旗 アクセスランキング

PR

注目のテーマ