つかめ栄冠 九国大付3年連続の甲子園(上)ピンチ救った勝負勘

西日本新聞

 7日開幕する第98回全国高校野球選手権大会に、県代表の九州国際大付(北九州市八幡東区)が出場する。3年連続7度目の甲子園切符を手にしたチームの目標は、昨夏のベスト8を上回る「全国制覇」だ。経験に裏打ちされた勝負強さを武器に、九国大付ナインが新たな「高み」を目指す。

 ■覆した前評判

 浮かれるところも、入れ込みすぎるところもない。甲子園出発を翌日に控えた2日、九国大付の選手たちは約2時間、母校のグラウンドで軽めの練習をこなした。「今日の練習次第でメンバーが代わるかもしれない」。西尾太一部長(41)の言葉に、選手たちは集中力を高めた。

 県予選で135校の頂点に立った九国大付。前評判は決して高くはなかった。昨夏のレギュラーで残ったのは1人だけ。春までの主要大会では思うような結果を残せていなかった。

 そのチームが1961年の戸畑以来となる3連覇を達成できたのはなぜか。予選7試合で平均8・7得点。攻撃力で相手を圧倒したのは間違いない。だが真価はむしろ劣勢ムードで発揮された。準々決勝の自由ケ丘戦、それを端的に物語るシーンがあった。

 ■絶妙の間合い

 満塁本塁打で同点に追いつかれ、延長戦に突入した十回表。勢いに乗る相手走者を二塁に背負うピンチを迎えた。2死を取った場面で二塁手の石橋大智選手(3年)が動いた。

 右投手の場合、二塁走者へのけん制球は遊撃手がサインを出す。石橋選手は2年生の遊撃手市川大成選手に、藤本海斗投手(3年)にけん制のサインを出すよう指示した。「あのまま藤本が投げたらボール先行になるかもと思った」と石橋選手。一呼吸入れた藤本投手は落ち着き、ピンチを切り抜けた。チームはその裏、サヨナラ勝ちを収めた。

 勝負どころで焦らない肌感覚。3年生たちはそれを2年間の経験で培った。2連覇した県予選とそれに続く甲子園の緊迫感をベンチやスタンドで味わい、「勝負勘」を養ったのだ。

 ■高い競争意識

 黙々とバットを振り、ティー打撃を繰り返す。体力的にも精神的にも追い込まれた準々決勝の後、選手たちは夜中まで普段通りの練習を続けていた。

 「勝たせてあげたいし、勝てる」。選手の姿を見た西尾部長はそう思った。楠城徹監督(65)は選手の好不調を見極めて起用する。選手たちは常に競争を意識し、地道な練習を繰り返す。大会中にも気負いや慢心が入り込む隙はない。

 準々決勝で早稲田実業と対戦し、3本の本塁打を浴びて敗れた昨夏の甲子園から1年。「聖地」に戻る永岡大昇主将(3年)は「ベスト8を超える。目標は全国制覇」と誓う。新しい歴史を刻む日は近い。

=2016/08/03付 西日本新聞朝刊=

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