大接戦 九国あと一歩 スタンドに歓声と悲鳴

西日本新聞

 試合はいきなり初回に2点を失う展開になった。しかし直後の一回裏、1点を返してなお2死一塁で安永元也選手(3年)が初球をたたき、特大の逆転2点本塁打を放つ。父の弘行さん(49)は「まさか入るとは。息子は何かを持っている」。応援トーンも全開だ。

 同点に追い付かれてもナインは慌てない。三回裏、尾仲力斗選手(3年)が放った打球は中前に抜け、またも勝ち越し。大騒ぎのスタンドで、母の幸恵さん(43)は「口から心臓が出そうなほどうれしい」。

 「いいぞ、ナイスピッチング」「これからいけるぞ」。ピンチの連続にも応援団はナインを励まし続けた。エース藤本海斗投手(3年)が打者を打ち取るたびに、スタンドから声援が上がる。母の美鈴さん(46)は「打たれても大丈夫。チームのみんなが助けてくれますから」と祈るような表情でマウンドを見つめる。取られたら取り返す。追い付かれたら突き放す。息つく暇もない接戦に、スタンドの歓声と悲鳴が交錯する。

 七回裏2死二塁、安永選手が変化球を見事に中前に運んで同点に。1年の和田梨歩さん(15)は「うわー」と大きな声を上げ、近くの友人と一緒に跳びはねた。「このまま逆転してほしい。声がかれるまで応援する」

 だが6-6で迎えた九回表、2点を勝ち越される。最終回の攻撃も一打同点の好機をつかんだが、一歩及ばなかった。本塁打3本を含め両校合わせて26安打が飛び交う、見応えのある打撃戦だった。

 試合後、静まりかえったスタンド前に選手たちが整列すると「よくやった」と大きな声援が送られた。藤本投手の父、貢一さん(46)は「最後まであきらめずに投げていたので、ほめてあげたい」と健闘をたたえた。石橋大智選手(3年)の母、尚美さん(53)は「できれば1勝したかったけど、このメンバーで甲子園に来られてよかった。お疲れさまと言ってあげたい」とねぎらった。

=2016/08/08付 西日本新聞朝刊=

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