大分、力出し切った スタンド「よく戦った」

西日本新聞

 第98回全国高校野球選手権大会で、県代表の大分は8日、中京(岐阜)と対戦し、4-12で敗れた。目標の初戦突破はならなかったが、自慢の打撃力で大量リードする相手を粘り強く追いかけた。試合後、スタンドからは「よく戦った」と健闘した選手たちに大きな拍手が送られた。

 試合開始前。ナインがグラウンドに姿を現すと、スタンドの保護者たちは一斉に立ち上がり、メガホンを打ち鳴らした。「勝也、頑張れ」。先発の石本勝也投手(3年)に声援が飛ぶ。立ち上がりに先制点を奪われたが、併殺で切り抜けると「いいぞ」と大歓声が上がった。

 一回裏、大分初の出塁はレギュラー唯一の2年、三浦拓人選手。見事な中前打に、母の佳代さん(45)は「感動しました。現地に入って何度も『頑張れ』って連絡したかいがありました」と笑顔を見せた。しかし得点には結びつかない。

 2点を追う三回裏。冨田柳汰朗選手(3年)が三塁打を放って出塁する。父の今朝光さん(40)は「絶対打ってくれると信じていた」。犠飛と適時打で同点に追い付いた。

 四回表、苦しい投球が続いていた石本投手が満塁本塁打を浴びる。投手交代のアナウンスが流れると、アルプス席からは大きな拍手。母の里恵さん(40)は「甲子園の雰囲気にのまれてしまったのかな。よく頑張った」とねぎらった。

 6点差となったが試合はまだ中盤。木田陸人主将(3年)の母、理沙さん(39)は「逆転できる。選手を信じてる」とメガホンを握りしめた。六回裏には束野克実選手(3年)の適時打で追撃。「うわぁー」と叫び声を上げた父の専之さん(48)は「神に祈っていた」。母の美佐さんは(46)は感極まって口元を押さえた。

 攻防は終盤へ。「選手たちはあきらめずにプレーしている。応援もあきらめない」。七回裏、吹奏楽部2年の柳直輝さん(17)の言葉通り、山下海星選手(3年)が適時打を放ち1点をもぎ取った。野球部3年の姫野竜成選手は「よっしゃー」と跳び上がった。

 だが八回表、決定的な4点が相手に入った。最終回の攻撃も及ばず、試合終了。スタンドの応援を率いた石井大介選手(3年)は「思い残しがたくさんある。今は何も言えない」と唇をかんだ。それでも中京を相手に12安打。甲子園で打撃力の片鱗(へんりん)を見せ、力を出し切った。

=2016/08/09付 西日本新聞朝刊=

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