はつらつプレー見せてほしい 長商寮長の吉原さん夫妻

西日本新聞

 長崎商野球部員の8人が入寮する長崎市三川町の「飛翔館」の寮長吉原俊彦さん(71)と妻ツル代さん(72)は、長商ナインの甲子園での活躍を心待ちにしている。長商野球部を支え続けて15年となる夫婦にとって「わが子のような存在」が、待望の甲子園の土を踏む。夫婦は「はつらつとした姿を見せてほしい」と口をそろえる。

 俊彦さんは、ライバルの海星高野球部出身だが「子ども好き」という理由から知人が運営していた寮を買収した。毎日5升の米を炊き、ツル代さんが弁当を作り、俊彦さんが学校まで届ける。練習を終えて帰ってきた部員たちが、豚丼や焼き肉丼をおいしそうに食べる。「おじちゃん、おばちゃんもう一杯」。口いっぱいに頬張る部員を見るのが何より楽しかった。

 月に1、2度ある遠征でも、兵庫県や鹿児島県まで自腹で弁当を作りに向かったこともある。試合ではスタンドの最前列から誰よりも声を張り上げる。試合に勝てば料理で祝い、負けたときは涙を流す部員の言葉に静かに耳を傾けた。「やりすぎじゃないかって感じるけど、私たちは3年間限定の保護者ですから」

 長崎大会の決勝。いつも寮ではしゃいでいる森海稀選手(3年)や吉田敏貴選手(3年)が優勝が決まった瞬間、指を天に向ける光景をスタンドの最前列から見て涙が止まらなかった。7月に結婚50年を迎えた吉原さん夫婦。「金婚式にうれしいプレゼントをもらった。今までにない最高の気分」と、部員たちと抱き合って喜んだ。

 長崎商は9日、初戦を迎える。夫婦はまたスタンド最前列からエールを送るつもりだ。「あの子たちは根性もあるけど笑顔が最高。私たちに楽しい野球を見せてほしい」と目を輝かせた。

=2016/08/09付 西日本新聞朝刊=

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