兄記録員、弟レギュラー 双子で駆ける夏の夢 樟南・上栗兄弟

西日本新聞

 全国高校野球選手権大会で10日、初戦を突破した鹿児島県代表の樟南ベンチに、弟を鼓舞する双子の兄の姿があった。制服姿で記録員を務める3年の上栗孝大(かみくりこうだい)さん。弟の大聖(たいせい)選手は中軸3番打者で、この日、2安打2打点と活躍した。裏方に徹している兄が、夢の舞台を駆ける弟とチームを支え、勝利に貢献した。

 1点を追う一回裏。孝大さんは「逆転するぞ」と初打席に向かう大聖選手に叫んだ。大聖選手は直球を振り抜き、右越え三塁打。走者2人がかえり、兄の言葉通り逆転した。

 鹿児島市出身の2人は小学3年から同じチームだった。高校進学時、大聖選手に地元の強豪、樟南から声が掛かった。孝大さんは進路を決めていなかったが、「やるんだったら大聖と一緒に甲子園を目指したい」と樟南の門をくぐった。

 入学後、孝大さんは1年の冬から足の疲労骨折を繰り返した。昨年夏、山之口和也監督に「マネジャーになってくれないか」と頼まれた。「やると言ったら選手には戻れない」。葛藤の末、受け入れた。

 試合中はベンチの隣に弟が来る。初戦、三塁打の後に結果が出ない大聖選手に「つまってもいいから逆方向のレフトへもっていけ」と助言。気持ちを切り替えた大聖選手は4打席目に左中間二塁打を放った。

 「かっこよかった。さすがです」と兄。「次の試合も孝大のアドバイスを聞いて勝ちたい」と弟。兄のグラブと弟のグラブ入れには「兄弟愛」の刺しゅうが入っている。2人の夏が続く。

=2016/08/11付 西日本新聞朝刊=

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