千賀0封 7回1安打85球 2桁勝利に王手

西日本スポーツ

 出し惜しみすることは何もない。いつも以上に体にムチを打って、自分の仕事に集中した。3-0の7回2死。千賀はフォークボールで福浦に一塁へのゴロを打たせた。ベースカバーに入ろうとマウンドを駆け降りた瞬間、両ふくらはぎがつってしまった。

 「僕がゼロで抑えれば負けることはない。そう考えながら投げた。その分、脚にきたのかも」。最速154キロの直球を打者に捉えさせず、7回まで1安打1四球で無失点。85球でも限界を迎えたほど、立ち上がりからフルスロットルだった。首脳陣は8回続投の方針を変え、継投策に切り替えた。

 「僕で始まった連敗。何とか勝ちたかった」。今季最長の6連敗のスタートは6日の日本ハム戦。6回5失点KOで今季初黒星を喫し、開幕からの連勝が8で止まった。ローテが一回りする間、チームは負け続けた。黒星が重なる度に千賀は自分を責めていた。

 勝利への気迫をみなぎらせつつも、勝負どころでは冷静だった。4回2死、打率リーグトップの角中にこの試合初安打を許した。続くデスパイネには低めに変化球を集めてストレートの四球。12日に和田から決勝2ランを放った大砲と無理に勝負せず、一、二塁から福浦を151キロの直球で二ゴロに仕留めた。「逃げるつもりはなかったけど、四球になったからすぐ次に切り替えた」。勝つための最善策が功を奏した。

 同じQVCマリンでの7月13日のロッテ戦以来、1カ月ぶりの9勝目。工藤監督が「アクシデントはあったけど、補ってあまりある投球をしてくれた。(デスパイネへの四球は)昨日の反省も生かす冷静さもあった」と称賛した。今季4度目の無失点投球で、チームトップの防御率2・52。それでも自己評価は低い。

 「大事なところでいつもポカをする。スタミナの使い方も分かっていない。このまんまじゃ、ダメなんです」

 育成から支配下入りしたプロ2年目の2012年4月30日。QVCマリンでのプロ初登板初先発は4回途中3失点KOだった。その悔しさを忘れず、はい上がってきた。初の2桁勝利に王手をかけ、昨年から先発登板でのロッテ戦は6戦無傷の4連勝。「次も頑張ります」。連敗ストップにもおごることなくチームをV3に導く。 (谷光太郎)

=2016/08/14付 西日本スポーツ=

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