「胸張れ」秀岳館 準決勝敗退、懸命プレーに応援団も涙

西日本新聞

 第98回全国高校野球選手権大会は20日、準決勝で県代表の秀岳館が北海(南北海道)に3-4で敗れ、県勢20年ぶりの決勝進出はならなかった。「熊本に元気を」を合言葉に春夏連続となるベスト4まで勝ち上がり、地元を沸かせてきた選手たち。全国制覇の夢は果たせなかったが、スタンドからは「よくやった」「胸を張れ」とナインの健闘をたたえる拍手が響いた。

 猛暑が続く甲子園。準決勝第2試合、両校の選手たちが本塁前に整列すると、4万2千人の大観衆から大きな拍手が起こった。野球部1年の神崎優人さん(16)は「優勝はもう目の前。頑張って2試合を戦い抜いてほしい」とグラウンドの先輩たちを鼓舞した。

 先取点は北海。三回裏、四球や長短打で3点を失った。「頑張れ」「切り替えよう」。声援が飛ぶ。2年の篠原夢奈さん(16)は「まだまだ大丈夫」。五回裏にも追加点を奪われたが、吹奏楽部2年の前田優さん(16)は「今までも後半に点を取ってきた。逆転できる」と力を込めた。

 終盤にいよいよ反撃が始まった。七回表、九鬼隆平主将(3年)の二塁打と相手ミスで1点を奪い、応援団からは「うおー」と大歓声。チアリーダーの河路李穂さん(17)は「逆転を信じている。最後まで笑顔で応援する」と小躍りした。

 八回表、九鬼主将の打球は右前へ飛び、相手の右翼手が後ろにボールをそらした。必死にダイヤモンドを走る九鬼主将を、固唾(かたず)をのんで見つめる応援団。二塁走者に続いて本塁に生還、一気に1点差に迫り、保護者たちは抱き合って歓声を上げた。九鬼主将の母、昭子さん(47)は「ドキドキして頭が真っ白。絶対に追いついてくれます」。

 だが最終回、懸命の粘りも届かずゲームセット。スタンドは静まり、涙を流す保護者や生徒たち。それでも選手が三塁側アルプス前に整列すると「ありがとう」と惜しみない拍手と声援が送られた。

 優勝候補が次々と姿を消した今大会で、前評判通りの地力を発揮してきた選手たち。松尾大河選手(3年)の母、由香さん(42)は「よく頑張ったとほめてあげたい。今日も秀岳館らしい野球ができた」と涙を拭った。

=2016/08/21付 西日本新聞朝刊=

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