東浜入魂106球 6回0封9勝

西日本スポーツ

 ■エースから助言
 
 大汗と等分に気迫がほとばしる。5点リードの5回2死三塁。東浜に1点もやる気はない。この試合2安打の浅村を追い込み、外角の144キロ直球でバットに空を切らせる。グラブをたたき、「自然と」ほえた。「三振を取りたい場面。イメージ通りできて」。6回を投げ毎回走者を背負いつつ、先発では5月以来今季2度目の零封を演じた。

 初回2死満塁は森を二ゴロに封じ脱出。「何とか低めに」と生命線を強く自覚した。2回、亜大の先輩松田の失策は併殺打を打たせカバー。観客席に亜大野球部の後輩たちがいた。「中には高校(沖縄尚学)の後輩もいる。(生田)監督さんも見てたし、変な投球はできない」。背筋を伸ばし106球を投げ込んだ。

 西武プリンスドームで先発通算4戦4勝となった。今年初めて投げた8月4日は、直前5戦を1勝4敗で迎えた登板。その前日、東浜は和田に数枚のA4用紙を見てもらっていた。自身の連続フォーム画像。0・1秒刻みで約40コマあった。好調時の5月と不調時の7月。ヤフオクドームの同条件で撮られた映像が上下に並ぶ。体の開きの早さなどいくつか違いがあった。

 和田からの助言は「なぜそうなるか」にまで及んだ。実際、腰に疲労感があった。「参考になれば」と骨盤周辺の補強運動を教わった。同様のトレーニングを行う守護神サファテも、その会話に加わってくれた。「(東浜は)今の若い子には珍しい。聞くのはいいこと。長くプレーする成功者は知識が豊富。アメリカでも年長の選手が知識をシェアするのは当たり前さ」

 画像はもともと、スコアラーから投手コーチに提出された資料だった。それをもとに指摘を受けた東浜自身が、同じものを取り寄せた。9月はこれで先発3戦2勝。月間防御率は7、8月に4点台だったのが、今月は2・01まで良化した。

 自力V消滅の翌日。和田が出場選手登録を外れ、垂れ込めた雲の下で4年目が懸命に光った。「僕や千賀は和田さんの背中を見てやってきた。頼りっぱなしだったけど、僕らも頑張らなきゃ」。9勝目で初の2桁へ道をつなぎ「個人のことはどうでもいい。チームが勝つために」と言い切る。多くの支えに報い、3連覇への道もつないだ。3番浅村を好機で封じたのも「明日につながると思う」から、素直に喜べた。 (森 淳)

=2016/09/24付 西日本スポーツ=

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