工藤ホークス 終わらせん

西日本スポーツ

 V3の可能性をわずかに残した! 日本ハムの優勝マジックが「1」で迎えたロッテ戦で、工藤ホークスが9回に執念の1点をもぎ取った。無死一塁から代走城所が二盗を決め、最後は福田がスクイズを成功。8回に千賀の2者連続押し出し四球で追い付かれる嫌なムードを、全員野球で振り払った。日本ハムは西武に敗れてM1のまま。絶体絶命の立場は同じだが、残り3試合も勝ち続ける。

■攻めるしかない

 負ければV逸という背水の状況で、工藤監督が覚悟のタクトを振った。千賀の乱調で同点とされた直後の9回1死一、三塁。福田のカウントが1-1になると大きな瞳に力を込め、サインを送った。左腕松永の投球と同時に、三塁走者の城所がスタート。福田も高めの直球を巧みに一塁側へ転がした。

 「一発でよく決めてくれた」。ベンチの工藤監督は、勢いよく勝ち越しのホームを踏んだ城所、少し遅れて帰ってきた福田を満面の笑みで迎えた。スクイズの場合、飛球による併殺や打者の空振りによる失敗で流れを手放す可能性もあるが、リスクを覚悟の上で決勝点を奪いとった。

 スクイズのサインを出したのは、失敗した8月18日の西武戦以来今季2度目。「ドキドキしました。一塁手が(前進して)ベースを空けていたので、セーフティーは警戒されてるのかなと」。工藤監督は打球が転がってから三塁走者がスタートするセーフティースクイズを多用してきたが、この場面は違った。

 千賀の2者連続押し出し四球で同点とされた8回裏の守備中に、日本ハムの敗戦が球場内の電光掲示板で表示された。負けてライバルの胴上げを決める屈辱だけは避けたかった。絶対に勝つ-。この思いは全員が共有していた。選手にも揺るぎない覚悟があった。

 9回は先頭の江川が死球で出塁。ここで代走城所が、続く細川の初球で果敢にスタートを切り二盗に成功。ベンチから盗塁のサインは出ていなかった。「チャンスをつくるのが僕の役割なんで」。細川もきっちり犠打を成功。失敗を恐れない城所の気迫が、決勝スクイズの舞台を整えた。

 「攻めるしかない? その思いが盗塁に出ていたし、よく思い切って走って、よく決めてくれた」。今季の城所は11盗塁を決め、失敗はわずか1度。盗塁成功率9割を超える切り札が見せた胸がすく好走塁を、工藤監督は興奮気味にたたえた。そして「明日も頑張ります」と力強く続けた。

 痛恨のサヨナラ負けで日本ハムの優勝マジックが「1」となった26日は、今季初めて次戦への意気込みを語らずに帰りのバスに乗り込んだが、言葉にも覇気が戻った。右肘痛の今宮を欠いての一戦で連敗を止め、残りは3試合。攻め続け、勝ち続けることで奇跡を起こす。 (倉成孝史)

=2016/09/28付 西日本スポーツ=

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