3位「打てる」捕手 熊本・秀岳館高 九鬼 鍛治舎監督「狙える」トリプル3

西日本スポーツ

■12球団最少指名
 
 福岡ソフトバンクが2年連続の満点ドラフトに成功した。1位指名の可能性もあった左腕の江陵・古谷優人投手(17)、秀岳館・九鬼隆平捕手(18)、青森山田・三森大貴内野手(17)と、2位以下はチームの課題を補強する形で高校生を指名。12球団で最も少ない4人で指名を終えた。工藤監督は3球団競合の高橋純平投手(19)を引き当てた昨年に続き、1位抽選で2連勝となった。

 中学からトータルで6年間指導を受けてきた恩師の手を握り締めた。「おめでとう」と声を掛けられ、秀岳館高の九鬼の表情がやっと緩んだ。「野球の100倍緊張して心臓がはち切れそうだった」。ホークスから3位指名を受け「評価していただけたと思う。期待を裏切らないように頑張る」と強い決意を口にした。

 捕手の年齢が高齢化しており、若手の台頭が望まれる中、高校ナンバーワン捕手の九鬼への期待は高い。目指すのは「打てる捕手」だ。「頭が切れて打てる、古田(敦也)さん(元ヤクルト監督)みたいな捕手になりたい」と目標を挙げた。九州地区担当として成長を見守ってきた福山スカウトは「投手を引っ張っていくタイプもいるが、九鬼君は投手に気持ちよく投げさせるタイプ。古田さんに似ている」とうなずいた。

■「熊本第二の故郷」

 中学時代に「オール枚方ボーイズ」で指導を受けた鍛治舎巧監督を追い、生まれ育った大阪から熊本で高校生活を送った。中学時代は正捕手でもなく、ようやく試合に出られるぐらいの実力だったという。それが、秀岳館高では主将として春夏の甲子園大会で4強入り。高校日本代表では好リードで投手陣を束ねた。「熊本は第二の故郷。地震の傷は簡単に癒えない。自分も復興のために頑張っていきたい」。自分を成長させてくれた九州、そして今春の地震で甚大な被害を受けた熊本に恩返しするためにも、野球道を突き進む覚悟だ。

 同じく捕手だった父の義典さんは徳島・池田高で選抜大会優勝を経験、社会人の松下電器(現パナソニック)ではベストナインにも選ばれた。「父はすごい捕手だったと周囲の人から聞きます。自分もそう言われるようになりたい」。父がかなえられなかったプロの世界に堂々と飛び込む。

 鍛治舎監督も「捕手として初のトリプルスリーを狙えると思う。大きな目標を持って頑張ってほしい」とエールを送った。「球界を代表する捕手になりたい」。常勝を義務づけられたホークスの“扇の要”を目指して、新しいステージの幕を開ける。 (前田泰子)


 ◆九鬼隆平(くき・りゅうへい)1998年9月5日生まれ。大阪府枚方市出身。小学5年から「枚方香里フェニックス」で軟式野球を始め、同市のさだ中では硬式クラブ「オール枚方ボーイズ」でプレー。中学3年時はジャイアンツカップなど中学生の主要大会で5冠を達成。熊本・秀岳館高では3年時に春夏甲子園4強。高校日本代表では4番捕手としてU-18(18歳以下)アジア選手権で優勝。高校通算27本塁打。180センチ、82キロ。右投げ右打ち。

=2016/10/21付 西日本スポーツ=

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