2位 北の奪三振王 北海道・江陵高 古谷 正義に勝つ

西日本スポーツ

■「誰にも負けない」
 
 運命の糸は遠く離れた福岡につながっていた。そこは、今季日本ハムと激しい優勝争いを繰り広げた宿敵の本拠地。北海道・江陵高の古谷は、実は故郷の球団ではなくその宿敵のファンだった。「松田選手をテレビで見ていた。プレースタイルも含め、松田選手のように熱い選手になりたい。ファンから応援される選手になりたい」と喜んだ。

 吉報を待ったのは北海道幕別町の同校体育館だ。指名された瞬間、特設モニターを見つめる硬い表情が和らいだ。隣で涙を流した野球部の谷本監督と握手。「こんなに早い順位で指名されていいのかな、と。でも、うれしい。監督や応援してくださった方のためにもプロになりたかった」と笑みを浮かべた。

 高校3年間で急成長を遂げた。入学時の直球は130キロ台に届かなかったがすぐに開花。球速が上がった一方で、マウンドでは不遜な態度を見せることもあったという。谷本監督から「おまえが投げなくてもいいんだぞ」と指摘されるなど、人間としての成長を求められた。

 主将兼エースとして臨んだ高3夏。北北海道大会で直球とキレのあるスライダーを武器に好投を続け、学校初の4強に進出。球速は4キロ増の154キロに達し全国に名前を売った。「監督から言われたことを一つ一つ意識していき、人として高校生活で変わることができた」。2年秋に固めたプロ志望が実現した。

 「どんな投手になりたいというのは、今はない。ただ、高校野球と同じようにチームを勝たせられる投手になりたい」。現在の目標は練習中のカーブの精度向上。先発か救援か、球速のこだわりはないものの、本格派を目指す考えだ。

 全国大会には無縁ながら2位で指名されたのも好素材の証し。最上位ではなくても、堂々と「ナンバーワン」を宣言した。「同世代を含めいい投手はたくさんいるけど、誰にも負けたくない。(1位指名の)田中さんにも負けないように頑張りたい」。指名後の会見を終え、はにかみながら仲間に胴上げされた17歳。闘争心を胸に、十勝平野から大きく羽ばたく。 (谷光太郎)


 ◆古谷優人(ふるや・ゆうと)1999年2月19日、北海道幕別町生まれ。同町の札内南小4年で野球を始め、札内中では軟式野球部。江陵高では1年春から主戦投手。今夏は北北海道大会2回戦の旭川西戦で自己最速を4キロ更新する154キロをマーク。準々決勝の釧路工戦では8連続を含む大会新記録の20奪三振を記録し、チーム初の4強進出の原動力となった。176センチ、76キロ。左投げ左打ち。

=2016/10/21付 西日本スポーツ=

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