正義でV奪還!!

西日本スポーツ

 日本一奪回を目指す工藤ホークスに頼もしい正義の味方が加わった。プロ野球のドラフト会議が20日、東京都内のホテルであり、福岡ソフトバンクは5球団による競合となった田中正義投手(22)=創価大=の交渉権を獲得した。直球にこだわりを持つ156キロ右腕はホークスの宿敵、日本ハムの大谷翔平投手(22)と同学年。日本最速165キロを誇る二刀流エースと同じ舞台で戦うことを誓った。

■真っすぐにこだわり

 口を真一文字に結び、田中は中継映像を見据えていた。東京・八王子の創価大キャンパス。1000人収容のホールに51社143人の報道陣が詰めかけ、立ち見の学生も出る異様な雰囲気だった。待たされたが、7球団目のロッテから1位指名が相次ぐ。5球団競合。ソフトバンク工藤監督が当たりくじを持った右手を上げ、場内の雰囲気は最高潮に達した。田中はその様子をじっと見つめていた。

 「思ったより緊張しましたけど、無事、決まったので良かったです」。朝、競合必至を報じるスポーツ各紙を「そんな選手じゃないのにな」と眺めた。午前中に練習。それからジムでトレーニングした。表情一つ変えなかった思いを「なるべく変えないようにしました」と明かし、笑わせた。にくいほど客観的だった。

 モニター越し、顔を紅潮させた工藤監督の口から、次々に激励が飛んできた。「日本を代表する投手になれる」との投げ掛けに「自分も同じ気持ち。必死に努力していきたい」と応じる。「開幕投手を目指すぐらいの気持ちで」の文言がついた即戦力の期待には「少しハードルが高いなと思いますけど、それを目指して今日からまた頑張っていきたい」と述べた。「本気で言ってないと思います。それぐらい努力してこいよ、ってことだと」。理解力と表現力の面でも逸材だ。

 工藤監督が「早く見たい」と望んだ直球は最速156キロを誇る。今春の右肩故障も癒え、秋は155キロを計測。ソフトバンク投手陣の名前を「バンデンハーク投手とか、サファテ投手」と剛腕から挙げるあたりに興味がうかがえる。「真っすぐが魅力的な投手ではいたい。真っすぐが強い投手が好きなので、自分のことを好きでいられる投手になりたい」とこだわりに触れた。

 ソフトバンクが屈した日本ハムの大谷とは同学年。来年からは同一リーグで、投打で争う環境だ。「大谷君と比較されるような選手ではないなと自分では思いますけど、同じ舞台で対戦できるところまで成長できたら」。ここも冷静。今は仰ぎ見ても、ずっと同じ目線でいるつもりもない。

 当面の目標は11月の明治神宮大会。プロ1年目の目標は「1軍のマウンドに立ちたい」と現実的だが、今ここでぶち上げる必要もない。「田中が先発だから球場行こうよ、って言ってもらえるような魅力の多い投手になりたい」。プロの気概は十分。日本一奪回へ、ソフトバンクが「正義」の鉄ついを手にした。 (森 淳)


 ◆田中正義(たなか・せいぎ)
 1994年7月19日、横浜市生まれ。小学1年から野球を始め以後投手。創価高では右肩痛の影響もあり、途中から外野手に転向。3年夏は西東京大会4強で甲子園出場なし。創価大で投手に再転向した。3年時の昨年6月に行われた大学ジャパンの壮行試合では、若手主体のNPB選抜相手に7者連続三振を奪うなど4回を完全投球。東京新大学リーグでは通算20勝(1敗)。186センチ、90キロ。右投げ右打ち。

 ◆田中正義こんな人
 ▼好物 魚介類。「貝類、エビとか。海鮮なら何でも」。博多ラーメンは「ひと口目はいいんですけど…。脂っこいラーメンはちょっと」と苦手の様子。

 ▼趣味 読書。「活字が好きですね」と言う。最近のお気に入りは「東野圭吾さんの『虚ろな十字架』ですね。すごい暗い内容ですけど(苦笑)」。そのせいか?「すごく目が悪い」のでコンタクト装用。

 ▼福岡は知らないけど… 九州自体が未経験。真っ先に浮かぶのは「博多華丸・大吉さん」で「大吉さんが好きですね」とか。

 ▼「工藤式」に興味津々 工藤監督について聞かれ「47、48歳まで投げられたんですよね?」と即答。「息の長い投手になりたいし学ぶことしかない。一つでも吸収できるように」。また「CSで負けたときに『全部自分の責任だ』っておっしゃってたので、いい監督さんだな」との印象を持ったそう。

 

=2016/10/21付 西日本スポーツ=

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