ホークスドラフト2位古谷 左のエースに 体不自由な妹のため

西日本スポーツ

■入団合意

 福岡ソフトバンクがドラフト2位で指名した古谷優人投手(17)=北海道・江陵高=が、妹への“恩返し”を誓った。16日、北海道帯広市内で小川一夫編成・育成部長兼スカウト室長らと入団交渉に臨み、契約金6000万円、年俸700万円で合意した。最速154キロ左腕は、障害のある妹みりあちゃん(9)の存在を励みにして成長してきたという。将来的な障害者支援にも意欲を見せており、球団が求める「左のエース」を目指して北の大地から福岡に赴く。 (金額は推定)

 十勝平野の寒風に鍛えられ成長した男は、特別な存在のためにプロとしての活躍を誓う。入団交渉後、担当の作山スカウトにユニホームを着せてもらう古谷のそばに、妹のみりあちゃんが駆け寄ってきた。その瞬間、緊張でこわばった表情が兄として見せるいつもの優しいものに変わった。

 「ここまで来られたのは妹のおかげ。妹という存在があったから、人間的に成長できた。投げるときは一番に福岡へ呼びたい」

■「人間的に成長」

 小3のみりあちゃんは先天性サイトメガロウイルス感染症による小児脳梗塞のため、左半身のまひや言語障害が残った。肉親とはいえ古谷もどう接すればいいのかと戸惑った時期があったという。「小中学生のころは、障害者の方を見てどっちかというとばかにする人間だった」。中3の夏に軟式野球部の活動が終わると、空いた時間を使ってたびたび妹のリハビリに付き添い病院に行くようになった。左手で積み木をする簡単な動作を懸命に繰り返す姿を見ているうちに、何かが変わっていった。

 「(江陵高の谷本)監督さんからも言われたけどそういう人を助けたいと思うようになった。何か役に立つことをしていきたい。小さなことからでも始められると思う」。具体的なことは今後検討していくつもりながら、父輝紀さんは「そういうことを言ってくれるようになったことがうれしい」と目を細めた。

■雪上で走り込み

 そのためにも、プロの世界で独り立ちしなければならない。現在は主にランニングで下半身を強化。冬が訪れた十勝平野は今月に入り雪が積もったが「滑るところで走っていると下半身がしっかりすると思う」と前向きだ。最速154キロを誇る直球、同じくらい自信のあるスライダーのキレを増すためにも、まずは下半身を安定させる。

 小川編成・育成部長兼スカウト室長は「焦らず体をつくって、将来は左のエースを目指してほしい」と期待する。同じ左腕で現役通算224勝、実働29年の工藤監督は無二の手本だ。「長く続けるための話を聞きたい。球団を日本一に導けるような投手になりたい」。北海道で見守る家族を喜ばせるため、遠く離れた福岡で大きく羽ばたいてみせる。 (谷光太郎)

=2016/11/17付 西日本スポーツ=

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