ホークス上林 ポール破壊弾 王会長もくぎ付け

西日本スポーツ

ロングティーをする上林 拡大

ロングティーをする上林

ロングティーで右翼席ポールのネット(上から3、4枚目)を破壊した上林(51)

 王会長も太鼓判! 「4年目の正直」とばかりに福岡ソフトバンクの上林誠知外野手(21)が快音を響かせた。王貞治会長(76)が見守る中、フリー打撃で強打を連発。昨秋に比べて体重10キロ増のパワフルボディーから放たれた打球は迫力満点で、62スイングのうち11本がオーバーフェンス。ロングティーでは右翼ポールを“破壊”した。先輩・内川の自主トレで同門の「神ってる」鈴木誠也(広島)に負けない大ブレークを狙う。

■「6~7割」で柵越え

 パワーアップしたのは、体重が88キロまで増えた肉体だけではない。上林の打球が「世界の王」の視線をくぎ付けにした。「打球が全然違う。振り切れているのがいい」と目を丸くし、こう付け加えた。「外野が一つ空いていればいいのに。スケールが大きくなっている。小さくまとめたくない」。賛辞の言葉を並べて活躍に太鼓判を押した。

 A組のフリー打撃でのことだ。62スイングのうち、安打性の当たりが39本の“打率”6割2分9厘。定評のあったバットコントロールに加え、一回り大きくなった体から快音が響き渡った。オーバーフェンスは11本。「軽く振っても飛ぶ感じはある。6~7割ぐらいですかね。自主トレから飛距離は出ていたので、これぐらいならびっくりしない」。内川や松田のWBC組を押しのけ、キャンプ2日目の“主役”を張った21歳はサラリと口にした。

 一昨年に台頭し、さらなる飛躍を期待されながら、昨季は1軍14試合の出場にとどまった。「大谷さん(日本ハム)や(鈴木)誠也さんを見ると、体がでかくなって活躍した。技術も大事だけど、そこから変えていこう」。バナナやゼリーなど小まめに間食を取りながら体重を増やした。技術面では、内川に師事した年明けの自主トレできっかけをつかんだ。内川や鈴木の打撃を観察していると、体重移動をしながらも常に軸足側に重心が残っていた。反対に自身は前に突っ込み、ボールとの“距離”が取れていなかったという。「手が先に走ってから腰がついてくるイメージ。開きも抑えられるし、ポイントも呼び込める」。股関節への意識を高めたことで、打球の質は明らかに変わった。

■金網部分“2枚抜き”

 夕暮れ時には、メイン球場で外野のライバル真砂と競い合うようにロングティーを行った。柵の向こう側に70本も運んだ真砂に対し、上林は右翼ポールの一部を破壊。ポールの金網部分を“2枚抜き”にしてみせた。金属部分が弱っていたこともあり「誰が当てても落ちてるでしょ」と笑い飛ばしたが、打球の強さが原因なのは言うまでもない。

 ブレークが期待された昨季も春季キャンプA組スタートながら、オープン戦で結果を残せず、開幕1軍を逃した。苦い思い出があるから、豪打にも慢心はない。「(昨年より)余裕はあるけど、試合で結果を残さないと…」。のみ込んだ言葉に不退転の決意がにじむ。可能性を秘めた若きバットマンが空前絶後の外野戦争を制する。 (小畑大悟)

=2017/02/03付 西日本スポーツ=