プロ20年目での“チェンジ” 五十嵐亮太

西日本スポーツ

打撃投手を務める五十嵐 拡大

打撃投手を務める五十嵐

打撃投手を務めた後、捕手の高谷(右)と話す五十嵐

 B組のランチ特打では連日、実績十分の投手が打撃投手として登板した。8日の摂津に続き、この日は五十嵐。宮崎にも寒風が吹きすさび、場所は屋外から室内に変えた。鶴岡と川島を相手に計56球。直球、ナックルカーブに、カットボール…それと3球ほどチェンジアップがあった。「新しく試したけど、納得いく形ではなかった」。それもそのはず、今キャンプで取り組み始めた球種だった。

 「チェンジアップに取り組んでいきましょう、というチーム方針で。僕自身もフォーク、もしくはチェンジアップを投げないと厳しいなと思っていたんで」

 チェンジアップ習得の奨励。1月31日、宮崎到着後のミーティングで伝達された。投手コーチ陣の提案。工藤監督は「(コーチに)任せてる。人によって合う、合わないはある」とした上で「縦横の変化だけの人が(チェンジアップで打席の)奥行きも使えれば幅が広がるし、球種が1個増えれば心の余裕も出るだろうしね」と可能性を説く。

 五十嵐の昨季投球に占める各球種の割合は、直球6割、ナックルカーブ2割、フォークとカットボールが1割ずつといった具合。「フォークが絶対的に信用できる球ではない。チェンジアップと両方使いながら、使える方を選択していく」。状態によって落ちる球が“消える”のを防げる。

 昨季は移籍4年目で最少の33試合登板。志願してオフにメキシコ・ウインターリーグ(WL)に参加した。リリーフ一筋の右腕が突如の先発。本人の聞いたところでは、メッツ時代に同僚だったコーチが、高橋尚(元大リーグメッツ)と勘違いしたのが原因らしい。「投げる腕も違うけど、向こうからしたら(同じ)『日本人』だしね」。笑い話にして「仕事の幅が広がるなら悪いことじゃない」と、いい意味で執着がないのが、プロ20年目の五十嵐だ。

 チェンジアップはまだ習得途上でも、投球自体にはある程度、納得できている。「感触よく投げられたと思う。オフ、WLでやったことを継続して。フォームは比較的、安定して投げられた。そこに時間を費やさなくていい」。昨年のように試行錯誤する姿がない。そのことが、チェンジアップのお題を柔軟に消化しようとする姿につながっている。 (森 淳)

=2017/02/10付 西日本スポーツ=