侍ジャパン千賀圧巻!初登板初白星 日本2次L進出王手

西日本スポーツ

7回2死、ハーマンを三ゴロに仕留め松田(3)とタッチを交わす千賀 拡大

7回2死、ハーマンを三ゴロに仕留め松田(3)とタッチを交わす千賀

 WBCデビュー戦で圧巻投! B組の日本はオーストラリアを4-1で下して開幕2連勝とし、2次リーグ進出に大きく前進した。千賀滉大投手(24)=ソフトバンク=が同点の6回に3番手で登板し、最速155キロの剛球とフォークを武器に2イニングを4奪三振で零封。7回の中田翔内野手(27)=日本ハム=の勝ち越しソロ、8回の筒香嘉智外野手(25)=DeNA=の2ランを呼び込んだ。WBC初勝利も手にした千賀ら救援陣の好投もあり、侍の勝利の形が見えてきた。

 硬く設定されたマウンドから見下ろした。WBC初登板。千賀の世界がそこにあった。1-1の6回。最初の相手は強打の3番ヒューズ。初球153キロで威圧し、最後は外角155キロで空振り三振に切った。自己最速まで1キロだった。

 「球場全体、スタンド一周が日本を応援している。あんな心強い状況で投げることはなかなかない。あまり緊張はしなかった」

 4番デニングにも155キロをファウルさせ、フォークで空振り三振。内野安打で2死一塁となり、6番ウェルチから151キロで空振り三振を奪い「っしゃ」と小さく吠えた。「ブルペンでキャッチボールしてたら、(中田)翔さんのホームランで勝ち越したのが分かった」。7回は先制ソロの7番デサンミゲルを、フォークで空振り三振の滑り出し。後は内野ゴロ二つで難なく退けた。

 小久保監督が「国際大会で十分通用する」と見込んだフォーク。急激な縦変化からくる「お化け」の異名通り、実は正体が一つでない。ソフトバンクの本拠地ヤフオクドームでは、弾道測定器「トラックマン」など、各種機器で投球を解析。千賀のフォークは回転方向が一定ではなく、変化にも違いが生じるという。

 一般的なフォークはわずかに直球同様のバックスピンがかかるが、千賀の場合はトップスピンになることがある。縦のカーブの回転方向と思えば想像しやすい。空気抵抗と重力が重なり大きく変化。そのフォークで、2三振とゴロアウト一つを奪った。

 侍ジャパンに初選出された昨秋の強化試合前、自宅でもWBC公認球を触って慣れた。一方で硬いマウンドと、フォームへの影響に苦慮。大会前の実戦、最初の試合で黒星を喫する滑り出しだったが「フォームで悩んでいたのが、ヤフオクドーム(1日の壮行試合)ぐらいから思い出してきた」と直前で間に合わせた。

 2回4K無失点の内容が初登板白星を引き寄せた。育成出身、WBC日本代表初勝利。試合後半のリレーが、この試合の明暗を分けた。小久保監督は「継投で勝っていかないと勝ち上がれない。次もこんな継投ができれば」と言う。短期決戦、特に球数制限のあるWBCでは、継投策が重い。

 小久保監督は千賀について「初登板であれだけ投げてくれて、力のある球で圧倒していた」と評価した。現状では「2番手で、ロングもいけるというところを任せる」と言う。千賀は「重要なところは怖さはあるけど、投げられるところを見せられて良かった」と、ひと息ついて先を見据えた。 (森 淳)

=2017/03/09付 西日本スポーツ=