強打の中軸、つなぐ意識 福岡大大濠 目指せ頂点(2)

西日本新聞

 「甲子園ではバントが重要。確実に転がそう」。福岡大大濠のグラウンド。主将の亀井毅郎選手(3年)が、バント練習を前に集まった選手に指示を出した。「おうっ」。選手たちは大きな声で散っていった。

 実は亀井選手は「学生コーチ」と呼ばれ、プレーはしない。練習で気付いた課題をノートに書き留めて八木啓伸監督(39)に渡し、精神面を含めた部員のケアも行う。学生コーチは八木監督が2010年の就任後に設け、亀井選手は8代目だ。監督がリーダーシップがあるのを見込み、1年時の冬に打診した。「将来、野球の指導者になりたいし、自分らしくチームに貢献できる」。レギュラーを目指していた亀井選手に悔いはなかった。

 亀井選手は、三塁コーチも務める。走者を回すか止めるか一瞬の判断を迫られる。「甲子園では興奮して走者を本塁に突入させてしまいがちだと聞いた。雰囲気にのまれずに冷静でいたい」と自戒する。

 バント練習は中軸の3番古賀悠斗捕手(3年)、4番東怜央(れお)一塁手(同)、5番稲本侑星三塁手(2年)も繰り返す。古賀選手は高校通算本塁打41本、東選手も44本と、いずれも右の強打者。それでも2人は「長打は狙わない」(古賀選手)、「チームバッティングで打点を挙げる」(東選手)と個人成績より、勝つために何ができるかを常に考えている。好機に強い左打者の稲本選手も「次打者につなぐ意識で」と心得る。

 「チームのために」との意識は、攻撃陣全員に徹底している。昨秋の公式戦では、チーム1位の打率だった1番久保田有哉遊撃手(3年)が出塁し、2番平野孝太朗右翼手(同)が送りバントで中軸につなぐのが攻撃パターンだった。平野選手は計13試合で14もの犠打・犠飛を記録した。八木監督は「盗塁やエンドランのような派手さはなくとも、バントで走者を進め、チャンスを広げる高校野球の基本に忠実なスタイルが大濠の野球だ」と語る。

 文武両道を掲げる同校。平日夕の練習は約2時間半と短い。2月13~22日は学年末試験のため、従来通り全体練習を休んだ。甲子園前の大事な時期だが八木監督は「高校生は学業が第一」と意に介さない。「特別なことはせず、大濠らしく戦う」。変わらぬ自然体で、頂点を目指す。

 ※文中の学年は新学年

=2017/03/08付 西日本新聞朝刊(都市圏版)=

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