熊工、夏こそ被災地に勝利を スタンド拍手「敗戦ばねに飛躍」

西日本新聞

 第89回選抜高校野球大会が開幕した19日、第3試合に登場した熊本工は昨年の覇者・智弁学園(奈良)と対戦し、9-0で敗れた。熊本地震の被災者に「1勝」は贈れなかったが、アルプススタンドを埋めた約1600人の応援団は「今回をばねに飛躍を」とねぎらった。被災地のため、夏に戻ってくる-。ナインはそう誓った。

 一回表に先制を許し、序盤から苦しい展開。応援団長で3年の宇野秀俊さん(17)=熊本市=は「粘り強い守りのチーム。これから立て直すはず」と話し、声を張り上げた。

 六回に3点を奪われたが、アルプスは沈まなかった。吹奏楽部の3年上野愛莉紗さん(17)=同=は熊本地震で自宅にひびが入り1週間、車中泊を強いられた。「元の生活に戻れていない人もいる。少しでも元気を与える試合を」とフルートを握り締めた。何度かチャンスもあった。そのたびに「打って」「諦めるな」。声援はやまなかった。

 1人で粘りのピッチングを続けたエース山口翔投手(3年)の父、護高さん(45)=同=は「力は及ばなかったが、最後まで心を折らずに投げたことを褒めたい」と拍手を送った。

 「熊本に元気を」がテーマだった熊本工ナイン。4番の八木田武洋(たけみ)選手(2年)は「被災地のみなさんを感動させる試合をできなかった。必ず夏に、甲子園に戻って感動と勇気を与えたい」と前を向いた。

=2017/03/20付 西日本新聞朝刊=

PR

高校野球 アクセスランキング

PR

注目のテーマ