侍・千賀、華々しい記録と消せない記憶 衝撃の4連続三振、痛恨の初失点「情けない」

西日本スポーツ

 侍投手陣を支えた屋台骨が揺らいだ。同点の8回1死一塁。低めに決まっていた千賀のフォークが真ん中に入った。キンズラーに捉えられ、左中間フェンス直撃の二塁打。「あそこでスッと甘く入ってしまう自分の制球のなさを痛感した」。二、三塁。続くA・ジョーンズは内角直球で三ゴロも、松田がファンブルして本塁返球できず失点。自身大会11イニング目の初失点が決勝点。あまりに酷だった。

 「この試合、クイックで初めてのフォークだった。それをしっかり決める準備をしておかないと。チームの代表として一人、マウンドに上がらせてもらう中で申し訳ない気持ち、情けない気持ちがあります」

 出番は追い付いた直後の7回。菅野の後を受けた。「雨も降って湿気が多かったので球は投げやすかった。マウンドが若干、滑った中でも投げられた。自分がこんなに集中できるんだとあらためて思えた」。全球種を操った。敵地のUSAコールも「どうこう思わなかった」。ホスマー、マカチェン、ポージーを3者三振の滑り出しだった。

 ■フォーク甘く入り

 続く8回は、メジャー7年連続20発超のスタントンを、フォークで空振り三振に仕留め4連続K。「普段テレビで見る選手ばかり。すごいなと思ったけど、マウンドに上がったら一人の打者としか見てなかった」。続くクロフォードに直球を右前打され、冒頭の場面へつながる。失点後、イエリチをフォークで三振に仕留めたのは意地だった。

 代表入り発表前の年明け早々、電話が鳴った。小久保監督だった。「一緒に世界一を取ろう」。初代表だった昨秋の強化試合で痛めた左膝のリハビリ中。「えっ。リハビリなのに」と驚いた。その時期から声を掛けてくれた期待に応えたい一心だった。米国でも手になじませようと、酷暑のアリゾナでのランニング中もWBC公認球を握った。

 初出場の今大会は計11回16奪三振。救援勝利に始まり、黒星で終えた。「もう一つ壁を越えなきゃいけないと教えてくれた」。再出場の意欲については「そこまでは今は考えられない。まずは自分を高めることが一番」と言った。華々しい記録と消せない記憶を刻み、育成の星は帰途に就く。 (森 淳)

=2017/03/23付 西日本スポーツ=

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