元銀行マン監督が初白星 社会人経験生かし「大濠野球」 「考え、役割果たせば結果」

西日本新聞

 センバツ初勝利の陰には銀行員経験を生かした指導があった。第89回選抜高校野球大会で、福岡大大濠は22日、創志学園(岡山)を破り、4回目の出場にして春の甲子園初白星を挙げた。大濠の八木啓伸監督(39)は大卒後、旧西日本銀行(西日本シティ銀行)に4年間勤めた異色の経歴を持つ。選手には社会人時代に学んだ「責任と自覚」を求める。

 この日の試合、大濠は一回裏無死一、二塁の好機を迎えた。打席にはプロも注目する強打の3番、古賀悠斗選手。だが八木監督は送りバントのサインを出し、古賀選手は初球できっちり決めた。「チームの勝利のために何ができるか、全員に考えさせている。中軸打者にもバントをさせる」と八木監督は常々話す。

 八木監督は高校時代、大濠の主将で4番打者だった。だが立命館大ではプロ入りした同期もいて、正選手にはなれなかった。就職活動をして銀行員となり、硬式野球から離れた。

 営業や窓口、融資担当などを経験。効率よく結果を出すためのチームワークや、自分が果たす役割を常に考える自覚や責任を学んだ。「誠実さと謙虚さ」を心掛け、顧客との信頼関係も築いた。しかし、高校野球が忘れられず、指導者を目指そうと銀行を退職。母校でコーチをしながら、教員資格を取るため3年間大学に通い、大濠の地歴公民の教諭となった。2010年から野球部の監督を務める。

 亀井毅郎主将は「平日の練習は2時間半。どれだけ効率良くできるか、みんな常に考え取り組んでいる」と語る。亀井主将はプレーをせず、指導や分析に専念する学生コーチで、八木監督が就任時に設けた。「選手が自分の持ち場で役割を果たす。それが大濠の野球です」。その信念が、春の1勝に導いた。

=2017/03/23付 西日本新聞朝刊=

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