松坂、7回ノーヒッター 動くボールで凡打の山

西日本スポーツ

6回、3者連続三振に仕留め気合が入った表情でベンチに戻る松坂 拡大

6回、3者連続三振に仕留め気合が入った表情でベンチに戻る松坂

 松坂、7回無安打投球! 右肩手術からの完全復活を期すソフトバンクの松坂大輔投手(36)が圧巻の投球を披露した。最速142キロながら7回無安打無失点の快投で、昨季セ・リーグ覇者のカープ打線を黙らせた。松坂、五十嵐、サファテの3投手による継投でノーヒットノーランも達成。松坂は試合後、2軍合流が決まり逆転開幕ローテ入りはならなかったものの、日本一返り咲きを目指すチームにとって怪物の快投は朗報だ。

 ■4連続K

 今、持てる力は全て出し切った。7回のマウンドを降りた松坂が笑顔を浮かべた。昨季リーグ王者のカープ打線に対し、7回を無安打無失点。それは剛速球で圧倒するかつての姿ではない。打たせて取る新たなスタイルに光が差した。「最後の最後でいい形、内容が出て良かった」と表情も明るかった。

 ノーワインドアップからテンポよく投げ込む。ツーシームやカットボールを駆使して、打者の手元でボールを動かした。最速は142キロ。102球のうち140キロ台を計測したのはわずかに6球のみでも凡打の山を築いた。野手の好守にも助けられたが、5回2死の新外国人ペーニャからイニングをまたいで4者連続三振も奪った。左打者の外角から切り込む「バックドア」も効果を発揮した。

 「自分の中ではずっとこういう形でやってきたいと思っていた。最後の最後に表に出た」。右内転筋の張りで緊急降板した18日の西武戦(メットライフドーム)で手応えはつかんでいた。「途中で降板したけど、いいきっかけになりそうなボールはあった。それを数多く出せればいいなと思っていた」。新しい松坂への“変身”が実を結んだ。

 ■笑顔満開

 この姿に工藤監督は「躍動感も戻ってきて、投げるテンポも良かった。ここまでくるのに時間はかかったけど、これからへの期待をさせくれた。新しい投球スタイルもできたと思う」と賛辞を贈った。ただ、開幕まで1週間を切り、遅すぎるアピールだった。試合後、開幕ローテからは外れることを通告された。指揮官は「オープン戦全てを総合的に考えた」と説明。23日に好投した摂津とともに松坂は2軍調整が決まった。

 この日、福岡市で桜の開花宣言が出された。ノーヒットの快投を演じながら開幕ローテ入りを逃した松坂に“サクラ”は咲かなかったが「残念だけど、オープン戦残り2試合で開幕ローテが決まっていないわけがない。試合前から分かっていたし、先につながるように投げた」と冷静に受け止めた。そして、見据える先に光をともした。「こういう形をシーズンで多く出せるようにしていきたい」と力強く言い切った。

 3年続けての開幕2軍は決まったが、「ニュー松坂」を見せつけ、確かな存在感を示した。「継続していく。それしかないですね」。シーズンは長い。再び1軍のマウンドに帰ってくることだけを信じ、今度は満開の花を咲かせる。 (小畑大悟)

 ◆五十嵐(2番手で登板。今オープン戦6試合目の登板で初の無安打投球)「投球フォームに悩むことなく、打者との勝負に集中できた。僕も大輔も、結果も内容も問われる立場だから」

 ◆サファテ(9回を三者凡退に抑え、チームのノーヒットノーランを完成)「松坂がノーヒットだったのは知っていたけど、ブルペンで準備をしていたので終わってから(チームで)ノーヒットだと分かった。シーズンでもこういう試合ができればいい。今日は自分の内容にも満足している」

=2017/03/26付 西日本スポーツ=