ムネ課題いっぱい 打撃も守備も「突貫工事しないと」

西日本スポーツ

1回無死、右前打を放つ川崎 拡大

1回無死、右前打を放つ川崎

川崎の復帰後初の実戦を見ようと、平日の日中にもかかわらず満員となったタマスタ筑後 試合前の円陣で声出しに臨んだ川崎は、ナインの手を重ねて「3、2、1、イエス!」の掛け声で締めくくる 1回1死一塁、オリックス・宗の二ゴロで併殺を完成させる川崎 多くのファンの歓声を浴びながら球場に入る川崎 試合前の練習に向かう際、ファンから手作りのメダルをもらった川崎

 胸いっぱい、課題もいっぱいの再出発だ。米球界から6年ぶりに古巣ソフトバンクへ復帰した川崎宗則内野手(35)が4日、満員御礼のタマスタ筑後で初実戦を飾った。ウエスタン・リーグのオリックス戦に1番遊撃でスタメン出場し、第1打席で右前打。平日デーゲームで初めて満員の3113人とファーム本拠地を沸かせた一方、川崎自身は「突貫工事がいる」と、打撃をはじめ日本野球への対応の必要を口にした。

■タイミング合わず

 「お帰り」「ムネリン」と四方から声が飛んだ。自らの希望で1番ショート。届いた背番号52のユニホームに声援を集めた。初回の第1打席。オリックス岸田の137キロ速球を捉え、ライナーで右前へ運ぶと、いよいよ歓声がはじけた。

 「みんな、川崎ガンバレーって。ホントうれしかった。今年18年目、36歳の年ですけど、こんなにたくさんの人が、僕みたいなのに興味持ってくれて。センキューベリーマッチ」

 最初のプレーは初回の守備で、二塁高田の転送を受け併殺完成。3回は三遊間寄りのゴロをさばき、併殺は逃したが二塁封殺した。3回の第2打席はチェンジアップに二ゴロ。併殺を免れた後、二盗を試みて元同僚・山崎勝の好送球に刺され、この回限りで退いた。

 入場券は午後1時の試合開始10分後に完売した。平日で満員は昨年8月の阪神戦以来ながら、球場職員は「その時はナイター。夏祭りのイベントもあった」とデーゲーム初の出来事に驚く。試合後には抽選150人へのサイン会も行われた。5、6日の前売り券の売れ行きも好調だという。

 反響の中、川崎は自身を冷静に見つめ、特に米国式の打撃を課題とした。現在はすり足気味のフォーム。日本と傾向が違う米国投手のモーションに対応するためだ。「あっちはポンポンとくるけど、こっちはグーッとためてくる。タイミングが合わせづらい」。速球の主流も米国では動く球ながら、日本ではきれいな回転。「長くやってたんだけど忘れてる。そこがショックだった」と漏らした。

 「人工芝にも慣れないと」と、天然芝に比べ体の負担が大きい点や、球足の速さも再確認。「課題はない、余裕だと思ってたら…とんでもない。すいません。課題だらけ。突貫工事しないと。このまま1軍ではプレーできない」と話す。

 帰国5日目ながら、まだ時差ぼけも残る。この日も午前3時半に目が覚め、体調は「BAD」と言う。遠征先の仙台で報告を受けた工藤監督は「徐々に体が回復すれば。本人に任せている」と急がせない方針で、少なくとも次カード西武戦まで昇格には否定的だ。

 もっとも川崎は「僕の突貫工事は早い。今日の夜で終わるかも」と舌も出した。「家族に(プレーを)見せられて、ファンのみんなの顔を見られて、うれしかった。やっぱホークス、いいなと思いました。頼もしい後輩と野球できて、素晴らしい日。初ヒットのボールももらった。みんなにサインもらって家に飾りたい」。5日は1番二塁の見込み。新たなステージが始まった。 (森 淳)

=2017/04/05付 西日本スポーツ=