ボートレース 120期27人来月デビュー “最後のやまと”卒業生 郷土勢の8戦士紹介

西日本スポーツ

■スタートダッシュ

 4月から名称が「ボートレーサー養成所」(福岡県柳川市)に変更となった「やまと学校」を3月17日に卒業した120期生27人(女子6人)が5月、全国各地でデビューする。郷土勢は「やまとチャンプ決定戦」で2着の佐々木完太(20歳・山口)をはじめ8人(女子2人)が巣立った。“最後のやまと卒業生”は1年間の厳しい訓練を乗り越え、ボート界の基本理念「礼と節」を身につけ、夢に向かってスタートを切る。将来を期待される郷土のホープを紹介する。

▼町田 洸希(長崎支部) 迫力に感激して転職

 レースを見て何かが違った。町田洸希(まちだ・ひろき)は大学を卒業し、地元長崎で就職。だが仕事をしているうちに、転職を考えるようになった。そこで思い出したのが、子供の頃に父に連れて行ってもらったボートレースだった。

 「開会式のオープニングセレモニーで選手が登場する姿が格好良かった。レースの迫力やスピードに感激しました」。1回目の受験で合格。小学校から大学までサッカー漬けだった。同じ国見高校出身のJリーガー徳永悠平選手(FC東京)らプロでの活躍にモチベーションが上がった。

 やまと学校ではいろんなタイプの仲間と出会い、「礼節」の大切さを学んだ。「感謝の気持ちを忘れずに、一日でも早く舟券に貢献できる選手になりたい」とデビュー戦から全開で挑むつもりだ。

▼井町 泰(山口支部) 元気を与える選手に

 テレビ番組に出演していた女子レーサーの魚谷香織選手を見て震えた。井町泰(いまち・ゆたか)は高校卒業後、一度は就職したが、「(魚谷選手から)ボートレースという職業に自信と誇りを感じた。自分もボートの世界でやってみたいと思うようになりました」。体重は軽く50キロもない。ボートレーサー向きでもあった。

 今村豊選手が目標だ。「どのコースからも結果が残せるレーススタイルに魅力を感じました」。今、自分に足りない判断力や行動力を補い、目標達成のために「自分に勝ち続けたい」と考えている。

 音楽が大好きで自らドラムをたたく、明るい性格が持ち味だ。謙虚な気持ちを常に忘れずに、ボートファンに元気を与えるレーサーになることが夢だ。

▼神開 一輝(福岡支部) 競輪選手の父超える

 高校、大学と自転車競技に打ち込んだ。神開一輝(しんかい・かずき)の父・将暢は競輪選手で自分もその道に進むことを考えていた。

 大学では全国大会で優勝を飾るなど活躍したが、故障などもあり挫折。「体格的に向いていなかった。でもプロスポーツ選手として生きていきたい」。そんな時期にボートレースを見て、そのスピードに魅せられた。強いだけではなく、謙虚で人間性が素晴らしいと感じる瓜生正義選手が目標だ。

 視力や体幹を鍛え、体重をつけずに動ける体づくりを目指す。体調管理には得意のサイクリングなども取り入れている。これからはスタート勘の精度も上げていく。「最後まで諦めないレースをしたい。そしていつかは業界が違うけど、父を超えたい」と目を輝かせた。

▼佐々木 完太(山口支部) リーグ戦は勝率1位

 高校まで野球一筋の9年間だった。このまま大学でもと思ったが、佐々木完太(ささき・かんた)は気づかされた。「小さい体では野球の大成はない。この体を生かした仕事をしたいと思った」。ボートレーサーを目指している友達とレースを見学し、その迫力に衝撃を受けた。

 やまと学校のリーグ戦で勝率1位を獲得。やまとチャンプ決定戦では1号艇に乗ったが2着だった。課題も分かっている。「今まで自分のことばかり考えていた。これからは人との関わりを大事にしたい」と、コミュニケーション不足を解消していく。

 5、6コースでも勝負強さがある岡崎恭裕選手が好きだ。日頃から体重管理を心掛ける。目標は「SG出場」。持ち前のアグレッシブさで“握っていくレーサー”になる。

▼牧山 敦也(佐賀支部) 「コツコツ」胸に勝つ

 佐賀県唐津市の自宅近くにからつボートがあり、父に連れられてよく行った。牧山敦也(まきやま・あつや)は子供の頃から、そのレースのスピード感に徐々にはまっていった。「小柄な自分でも活躍できる職業だと思いました」。水上で戦う格好いいボートレーサーに憧れた。

 高校までの10年間、サッカーに熱中した。ジュニアユースでは全国大会にも出場。その過程の中で、自分が取り組んだことが全て結果に出ることを感じた。それはボートレースにも通じると思っている。

 「コツコツが勝つコツ」が好きな言葉で、まずはフレッシュさを武器に勝負する。「両親にとって自慢の息子になり、ボート界で活躍して恩返ししたい」。焦らずにマイペースでデビュー戦を迎える。

▼井本 昌也(山口支部) 教官「頭の回転速い」

 ボートレースのスピードと迫力は満点だった。井本昌也(いもと・まさや)は初めて乗ったペアボートでその魅力を知った。やまと学校入学後は全科目をそつなくこなし、教官からは「頭の回転が速い。事故を起こすこともなく勝率上位は立派な成績だ」と将来を期待されている。

 小学校から高校までサッカーをやり、「チームメートと協力して、一つの目標に向かって努力することの大切さを知った」と、今後の競技生活にしっかりと生かしていくつもりだ。

 やまとチャンプ決定戦では3号艇に乗り、4着だった。常に強いレースをする今村豊選手に憧れる。「全てのことに感謝し、一人でも多くの人に愛されるレーサーになりたい」。今できることを一つ一つ、全力で挑戦していく。

▼田中 博子(福岡支部) 陸上の忍耐力生かす

 ボートレースは男も女も関係ない。父の影響もあってレースを知った田中博子(たなか・ひろこ)は「平等に戦える舞台で、自分でもやってみたい」とボートの魅力を感じた。1回目の受験で合格し、女子レーサーを知ったきっかけとなった日高逸子選手を尊敬する。

 短距離走が好きで、高校時代には100メートル障害で全国大会に出場。「陸上をやって精神面や忍耐力が身につきました」。これからは自分に足りないと感じるコミュニケーション能力を高める。技術の面でも旋回力の向上と、スタート勘を磨いていく。

 有酸素運動を取り入れたトレーニングをする。両親からの「一度決めたことは最後まで諦めずにやり通しなさい」という教えを胸に刻む。これから出場するレースは、全速力で走り抜ける覚悟だ。

▼山本 梨菜(佐賀支部) 感謝の心を忘れない

 初心忘れるべからず。19歳の山本梨菜(やまもと・りな)がハツラツとレースに挑んでいく。「初めて女子レースを見て強く感じた。迫力ある旋回で戦っている姿が格好良かった」。1回目の受験で合格。教官からは「自身を信じて、強い信念を持て」と激励された。これからも自分に厳しく、毎日努力していく。

 小野生奈選手に憧れる。「どんな時でも明るく元気で、男子に負けない強い気持ちを持っている」と感じるからだ。高校時代はハンドボール部で全国大会に出場。周りの人の大切さと、一歩引いて物事を見る大切さを知った。

 SG出場が目標だ。「負けず嫌いで、一度決めたことはやりきります。感謝の心を忘れずにいたい」。応援してくれた亡き父のためにも「夢を与えるレーサー」になる。

=2017/04/25付 西日本スポーツ=

PR

レース アクセスランキング

PR

注目のテーマ