甲斐、プロ1号逆転満塁弾 ホークス今季最多17安打で14点

西日本スポーツ

2回2死満塁、1号満塁本塁打を放ちナインに迎えられる甲斐 拡大

2回2死満塁、1号満塁本塁打を放ちナインに迎えられる甲斐

プロ1号を放つ甲斐 お立ち台でガッツポーズする甲斐(左)と上林

 工藤ホークスが史上初のアーチを含むド派手な4発で3位に浮上した。2回に甲斐拓也捕手(24)がプロ1号の逆転満塁弾。育成出身選手が初本塁打を満塁で記録したのは初で、火が付いた打線は今季最多17安打で14点を奪い大勝した。千賀、石川、飯田とバッテリーは全て育成出身。3桁の背番号からはい上がってきた男たちが、5月最初の試合でチームを3週間ぶりのAクラスに押し上げた。

■努力の結晶満カイ

 とにかく、一生懸命だった。一塁を蹴り、二塁を視界に捉えた甲斐の耳に飛び込んできた大歓声。そこでようやく気が付いた。「素直にうれしかった」。2点を追う2回2死。西武のキャンデラリオから放ったプロ1号が、値千金の逆転満塁弾となった。

 マスクをかぶった初回2死一塁で中村に先制2ランを許していた。「ホームランはこちらの責任。千賀の分を取り返したい」。バットをこぶしひとつ分短く持って迎えた打席は3球目で追い込まれた。それでも食い下がって6球目、内角高めの直球に腕をたたみクルッと体を回転。「ずっと藤本(打撃)コーチに教わってきた」。努力の結晶がライナーで左翼テラス席に飛び込んだ。

 古巣復帰後初の本拠地戦となった次打者の川崎も歓喜のジャンプだ。プロ1号が満塁弾は昨年のエリアン(DeNA)、パ・リーグでは2015年に同僚の上林が放って以来で史上59人目。育成出身では初だ。逆転の肩書も付くのは、球団では上林以来で3人目。10年のドラフト、球団では最後の育成6位で指名された。当初は獲得リストにも載っていない男だった。

 地元九州のある大学の監督が捕手の人材確保に苦慮している。そう耳にした編成上層部が、ほんの興味でスカウトに実情を聞いた際、大分・楊志館高の甲斐の名が出てきた。身長170センチと小柄な点が大きなネック。ただ物は試しと視察してみると、補って余りある肩の強さに打撃も悪くはなかった。7年目の今季。初めて先発マスクの機会を得て逆転人生は加速中だ。

■7、8、9番で4発

 伏兵が火を付け、チームは今季初の1試合4発。4月11日以来のAクラスを呼び込んだ。「ビックリしている。粘って何とかしようという気持ちがホームランにつながった。日ごろの練習が実を結んだんじゃないか」。工藤監督は起用に応えた24歳に目を細めた。

 初めてのお立ち台。「最高ですね…」。言葉を詰まらせた甲斐だがこれで自分を見失うことはない。「自分はホームランを打つタイプじゃない。自分のバッティングを考えながらやりたい」。帽子のツバの裏に書いた言葉〈人はヒト〉の通り、信念を持ち地道に歩んでいく。 (谷光太郎)

▼王会長「すごい爆発だったね。何と言っても拓也(甲斐)の満塁ホームラン。一番びっくり、本人もね(笑)。貴重だったね」

▼達川ヘッドコーチ(甲斐について)「よう頑張っとる。ただ周りのコーチもよく育てとる。この前の休みも、(ヤフオクドームで)清水(バッテリー)コーチが1時間くらい投げて打たせとった」

▼森作戦コーチ兼バッテリーコーチ補佐「入団当初、3年で辞めるかな、1軍は難しいかな、と思っていた。体が小さいから。周りの助けを借りてよくここまできた」

◆14年ぶり下位そろい踏み ソフトバンクは7番松田、8番上林、9番甲斐が本塁打。ホークスの7、8、9番がそろって本塁打は2003年9月14日オリックス戦(福岡ドーム=当時)で5回に7番ズレータ、8番出口、9番鳥越が3者連続で放って以来。チーム1試合4発は16年8月27日ロッテ戦以来だった。

=2017/05/03付 西日本スポーツ=

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