ホークス内川「やっちまったな」球宴MVP「ファンは大谷選手見たかったんじゃないかと…」 賞金は九州豪雨支援に

西日本スポーツ

■パ3年ぶり勝利

 タカの祭典! 内川聖一外野手(34)が8回に決勝打を放ち、4年ぶり2度目のMVPを獲得した。前回は自ら支援するなど思い入れのある東日本大震災の被災地福島でつかみ、今回は九州豪雨で傷ついたホークスの地元を勇気づけそうな一撃を放った。先発の大役を任された千賀は快投を演じ、試合前に行われたホームランダービーは柳田が初優勝。まさにホークスデーとなりました。

■自虐的お立ち台

 豪快なアーチを放った3人の敢闘選手に囲まれ、複雑な表情で内川が、表彰台の中央に立った。7回からの途中出場で2打席に立ちMVP獲得。「やっちまったな…、と」。放った2安打がファンの歓喜するド派手な本塁打でないことに申し訳なさを感じながらも、うれしくないはずがない。

 「唯一の心配事は大谷選手の代打だったので、ファンのみなさんは大谷選手を見たかったんじゃないかと…。ちょっと申し訳ないなと。あのタイミングで使っていただいてMVPをもらいますが、僕が打つよりもインパクトのあるホームランもありましたし」

 遠慮ぎみなお立ち台。それでも誠実な姿に対し、大観衆は拍手を送った。4年ぶりの球宴はベンチスタート。1点を追う7回に出番が回ってきた。「おまえの代打で申し訳ない」と、大谷に。周囲には「スタンドのため息を聞いといてください」と、自虐的に話し1打席目に向かった。一塁コーチャーボックスで大谷が見守ったその打席で、初球をきれいに中前へ。この一打が同点につながると、8回に最大の見せ場がやってきた。

 「心の中では100パーセントMVPがよぎった。ここで打てば…、と」。2死二塁でマテオの直球を、またしても中前へはじき返した。決勝の適時打。「ファンのみなさんは本塁打だったり、一目ですごいなというのを求めていると思う」。そう話しながらも、通算1966本の安打を積み重ねてきたヒットマンの意地と言わんばかりの「教科書」のような打撃で、玄人ファン、そして子供らにも夢を与えた。球宴は26打数13安打の打率5割だ。

■球宴打率は5割

 2013年の第3戦に続き、自身2試合連続のMVP獲得だ。13年は東日本大震災の爪痕がまだ色濃く残る福島での開催。このMVPをきっかけに、翌年からは毎年オフに、現地を訪れ野球教室を行っている。駅で見つけた自身のプレーが報じられていた新聞が「3・11」のままだったことに「僕たちは6年間動き続けてきたけど(新聞を見て)時間の長さを想像すると胸が苦しくなった」と話したこともある。

 卓越したプレーでファンを喜ばせるだけでなく、プロ野球選手として人のために何ができるか、という思いは年々強くなっている。「同じ大分だし、日田だって知っている場所」。獲得した賞金は迷うことなく、九州豪雨の支援活動のために使ってもらう考えだ。記録は単打でも、「ホームラン級」の意味ある一打を放つ男、それが内川だ。 (倉成孝史)

=2017/07/15付 西日本スポーツ=

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