亡き母胸に最後の夏 5人抜き2度「力くれた」 久留米商・木村明日香主将

西日本新聞

 亡き母にささげる5人抜き-。玉竜旗高校剣道大会女子に出場した久留米商(福岡)の木村明日香主将(3年)は今年5月、母美紀さんを47歳の若さでがんのため亡くした。先鋒(せんぽう)として臨んだ3度目の伝統の舞台。いつも見に来てくれた美紀さんの姿は客席になかったが、身に着けた胴の下に生前の写真をしのばせ、ともに戦った。

 「天国から見ていてくれたと思う。力を与えてくれたのかな」。25日の富士(東京)との初戦で、3度目の出場で初めて5人抜きを達成。26日の南宇和(愛媛)との3回戦でも面や得意の胴を鮮やかに決め、再び5人を抜いてみせた。

 小学1年の時、剣道を勧めてくれたのも母だった。壁にぶつかった時はいつも「できないと思ったらできない。できると思ってやりなさい」と言われた。その言葉は12年間剣道を続ける支えになった。「いつもお弁当を作ってくれた。本当に優しくて、怒られたこともない」

 美紀さんの葬儀の4日後、目前に迫った高校総体福岡県予選に向けて練習に復帰した。心の整理はついていなかったが、部の仲間が元気づけてくれた。「ずっと笑顔でいてくれた。うれしかった」と感謝する。

 4回戦でシード校の新潟商に惜敗した。「悔しさは少し残っているけど、できることはやった。家族と先生、部のみんな、そしてお母さんのおかげです」

 写真の中で笑う母。同じような晴れやかな表情で、最後の夏を終えた。

=2017/07/27付 西日本新聞朝刊=

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