【起こせ!波佐見旋風16年ぶり夏の甲子園】<上> 強力打線と投手二枚看板

西日本新聞

 波佐見が、第99回全国高校野球選手権大会(7日開幕)に16年ぶり3回目の出場を決めた。伝統の打撃力は健在な上、今年は完投能力がある投手を2人そろえた。出場メンバーの半数は小中学時に日本一を経験し、心技ともに大舞台での活躍が期待できるチームに仕上がっている。

 県大会5試合の通算チーム打率は3割7分1厘。特に1番村川大介選手(3年)は5割8分3厘と群を抜く。ヒットの半数は内野安打で、50メートル6秒1の俊足を生かしてきた。

 村川大選手を4番内野裕太選手(2年)と5番浜田倫主将(3年)など主軸が返して先取点を奪い、2投手で逃げ切る。このパターンで県大会の全試合を制してきた。「1番として期待以上の仕事をしてくれた」と村川大選手に対する得永健監督の信頼は大きい。

 ただ「甲子園に行くと良い投手ばかり。簡単には打たせてもらえないと思う」(得永監督)というように打撃は相手投手次第の面もある。春の大会では強力打線を封じられ、準々決勝敗退という苦い経験をした。

 そこで機動力強化を図った。相手守備陣のすきをつく走塁を練習。県大会通じて、盗塁8個と決して多くはないが、ひとつでも先の塁を奪う意識は根づき、得点圏に走者を進めることができた。「全試合での先制点につながった」と浜田主将は振り返る。

   ◇    ◇

 7月23日、清峰との決勝戦。2点を勝ち越した直後の十回の守り、走者を1人出したところで、得永監督は先発の左腕隅田知一郎(ちひろ)投手(3年)を右腕村川竜也投手(3年)に代えた。準決勝までの4試合は2人が2試合ずつ完投。県大会初の継投策だった。

 エースナンバーの村川竜投手は波佐見中3年時、全日本少年軟式野球で日本一投手になった。当時からバッテリーを組む山口裕聖捕手(3年)との呼吸もぴったり。140キロ台のストレートが武器の本格派は、山口捕手のリードに厚い信頼を寄せる。

 一方、西大村中出身の隅田投手は昨年10月、左肘を疲労骨折し、復帰まで半年かかった。その間、インナーマッスル(体の深層部にある筋肉)や体幹の強化を図るとともに、徹底的に走り込んだ。復帰した4月には骨折前より球速が7、8キロ上がり、最速143キロになった。

 ライバル意識を持ちながら成長してきた2投手。ともに完投能力はある。だが、得永監督の頭の中には隅田選手-村川竜選手という継投策がある。「甲子園という所で完投するのは、なかなか難しい。隅田ができる限り押さえ、村川につなぐ形になるのではないか」と話す。県大会通じて失策3個という堅実な守備陣が、打たせて取る両投手をもり立てる。

 人口約1万5千人の焼き物の町にある県立高校が勝ち取った甲子園への道。町を挙げて喜ぶ住民の熱い期待を背に、選手たちは晴れの舞台で旋風を起こすことを誓う。

=2017/08/03付 西日本新聞朝刊=

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