ホークス明石決めた ソフトバンク通算1000勝

西日本スポーツ

ソフトバンク通算1000勝の記念ボードを手に笑顔をみせる明石 拡大

ソフトバンク通算1000勝の記念ボードを手に笑顔をみせる明石

 ダイエー時代から「ホークス一筋」の男がメモリアル勝利を呼び込んだ。ソフトバンクとして通算1000勝を達成。先制とダメ押しの計3打点をたたき出した14年目の明石健志内野手(31)がお立ち台を一人で独占した。現在1軍の野手で唯一のダイエー戦士が輝き、両リーグ最速で今季70勝に到達。楽天が敗れたため、1日で首位の座を奪い返した。

■ホークス一筋14年目

 クールで控えめな男が、照れくさそうにお立ち台に上がった。「ヒーローが、自分でいいのかな」。明石の自虐的な言葉に、3万7000人超のファンが沸いた。福岡ソフトバンクとして積み上げた1000個目のメモリアル白星。「脇役」を自認するだけに、喜びよりも遠慮が先立った。

 「逆にここだけは避けたかった。松田さんとか、ギータとか、あの辺が(ヒーローが)よかった」

 当の本人は申し訳なさそうに苦笑したが、野球の神様は明石を選んだ。記念すべき1勝の殊勲者に、最もふさわしい男だったからだ。ダイエー最終年の2004年に入団。翌05年から経営母体がソフトバンクに移った。チームの移り変わりを知る男はホークスを一度も離れることなく、グラウンドに立ち続けている唯一の1軍選手だ。

■「自分でいいのかな」

 「高卒1年目だったし、そんなことを考える余裕はなかった」。身売りでチームの親会社が変わることなど、当時10代の若者にとってはピンとこなかったと今では振り返る。高卒1年目の5月に「FDH」のユニホームを着て放ったプロ初安打は、右中間への三塁打。この日2回1死一、二塁で相手エースの金子から放った先制の2点打は13年前と同じ三塁打だった。腕をたたみながら内角寄りのカットボールを捉えた巧打がチーム24イニングぶりの適時打となり、一夜で首位に返り咲かせた。

 「SBH」となってからも毎年のように優勝争いを繰り広げている強さの要因の一つを、明石はこう語る。「(選手個々が)安泰じゃないから。2軍にもいい選手がいっぱいいる」。1番で先発起用された14日は5打数無安打。結果を残さなければ、誰かに立場を取って代わられる。そんな強い危機感を胸に抱きながらグラウンドに立っているだけに、先制打だけでは満足できない。1点差の8回にも貴重な適時打を放った。

 ホークスの軌跡を知る31歳は、若かりし頃から分厚いレギュラー陣に立ち向かってきた日々を「高い壁しかなかった。技術よりもメンタルが鍛えられた」と振り返る。だからこそ、ベテランと呼ばれる年代に足を踏み入れた今、まさに高い壁となって若手の前に立ちはだかる覚悟だ。レギュラーに決して引けを取らない実力を持った「脇役」の活躍で、両リーグ最速で70勝に到達し、首位へ再浮上。「本当に素晴らしい1000勝だと思います」。一丸でつかみ取った1勝に工藤監督の顔にも満面の笑みが戻った。 (倉成孝史)

◆勝率5割7分1厘

 ソフトバンクが球界参入13年目で通算1000勝に到達した。成績は1817試合で752敗65分け、勝率5割7分1厘。ダイエー(89~04年)時代は2133試合1021勝1067敗45分け、勝率4割8分9厘で1000勝目は最終年の16年目だったが、ソフトバンクではシーズン負け越しが08年しかなくハイペースで白星を積み上げている。監督勝利数は▽05~08年王貞治=271▽06年森脇浩司(代行)=30▽09~14年秋山幸二=456▽15年~工藤公康=243。またソフトバンクは今季107試合目で70勝。福岡移転後は05年の104試合目に次ぎ、15年に並ぶスピード到達となった。両リーグ最速70勝も15年以来。

=2017/08/16付 西日本スポーツ=

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