寂しいデス(ホークス) 井口へ“感謝”の猛打賞

西日本スポーツ

 特別な試合だった。デスパイネは普段とは異なる感情を抱きながら、右打席に立った。「日本に来た最初からお世話になった。最後の試合で寂しかった」。感傷的になったのも無理はない。今季限りで現役を引退するロッテ井口の、ヤフオクドームでの最終戦。2014年に加入したロッテでチームメートになった。今カード中は、試合前に多くの言葉を交わした。尊敬する野球人の一人だった。

 4回無死一、三塁の好機。二木の真っすぐをフルスイングした。ジャンプした左翼角中のグラブの上を痛烈な打球が越え、ホークスに3試合ぶりとなる先制点が入った。6回無死一、二塁からはフォークボールを左前打とし、貴重な追加点をたたきだした。1打席目にも左前打を放っており、7月1日の楽天戦以来、約2カ月ぶり今季4度目の3安打猛打賞。もちろん、チームはすべて白星だ。「とにかく3連敗だけはしたくないと思っていたので、いい場面で打ててよかった」

 常勝ホークスを主力として支え、2004年オフに海を渡った井口は「日本人内野手」として高い評価を受けただけでなく、メジャーでの4年間で2度もチャンピオンリングを手にした。日本球界と違うグラウンド内外の環境面にも順応した。そんな豊富なキャリアを基に、デスパイネは多くの助言を受けたという。「自分だけでなく、いろんな外国人に声を掛けてくれた。とにかく明るいんだ。ロッテでの3年間はいい思い出だよ」と振り返る。

 そんな経験があるから、来日4年目となったデスパイネは、キューバの後輩でもある21歳のモイネロを家族のようにサポートする。2四球を与えるなど珍しく制球を乱して2失点した26日は、10歳年下の左腕を一喝。「ストライク先行で投げろ!」。期待の裏返しだからこそ、厳しく接した。

 フォア・ザ・チームを忘れない助っ人が、井口への感謝の思いもバットに込めての3安打。試合後、ヤフオクドームを後にする井口と、帰途に就く時間が偶然にも重なった。固い握手で、最後の感謝の思いを伝えた。 (鎌田真一郎)

=2017/08/28付 西日本スポーツ=

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