アレ?冷たくない 意外と知らないビールかけの常識

西日本スポーツ

 【カウントダウンの舞台裏】

 ソフトバンクファンとともに優勝を待つビール瓶がある。その数、3000本。優勝後にビールかけを行う風習は、1959年、ソフトバンクの前身・南海が最初とされる。ハワイ出身の日系2世内野手・カールトン半田が、米国のシャンパンファイトのように、祝勝会場にあったビールを同僚にかけたのが始まりという。

 ビールはビール会社の協賛でまかなわれる。普段はもちろん冷やされているが、祝勝会時には常温に近づけてある。いつものようにキンキンなら選手の体を冷やしてしまうし、温度が低いほど気体が溶けやすい関係で、泡も立ちにくくなる。

 優勝が懸かった試合日、祝勝用ビールは搬入場所の運搬車内でしばらく待機する。降ろした時点で「出荷」となって元には戻せなくなるので、優勝お預けなら出荷せず出直し。いよいよ優勝は決まりという頃合いを見計らい、現場立ち合いの協賛担当者の同意も得て最終準備に入る。ただ、そこは筋書きのないドラマ。まれに逆転でお預けとなり、祝勝会場で夜を明かしたビールもあった。

 「優勝決定のタイミングをにらんで、祝勝会場を設営するための荷物も飛ばしておく必要がありますし、何をどこでゴーするか、ジャッジするかが大事ですね」。球団総務課の和田凡央(ひろひさ)主任(52)は、自他球団の試合日程をまとめたエクセルの表とにらめっこしてきた。会場により事情もさまざま。屋外ならテントの設営が必要だし、各地の条例や、施設の排水処理能力も調べておく。2010年にリーグ優勝を仙台で決めた際は、バキュームカーが用意された。

 最後はスタッフが地道に栓を抜いてビール瓶を並べる。数年前に導入された新型栓抜きは、瓶の口に差せば簡単に栓が抜け、王冠が磁石でくっつく。ただ、これが逆に、何十本も続けて抜く作業には向かなかった。あくまで家庭用の設計だからか、こうした酷使にも不向き。結局、旧来のオーソドックスな栓抜きが主力に返り咲いたとか。

=2017/09/15 西日本スポーツ=

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