ホークス工藤監督、最速VへM1 かつての庭で舞う

西日本スポーツ

 きょう舞う! 福岡ソフトバンクの工藤公康監督(54)がリーグ最速Vを懸けて16日の西武戦(メットライフドーム)に臨む。2年ぶりの優勝へマジック1。西武との直接対決で勝つか引き分ければ、2015年に自身が打ち立てた最速記録を1日更新する。西武での現役時代に数々の歓喜を味わったかつての庭で、昨季の悔しさを晴らす歴史的なぶっちぎりVを決める。同じくマジック1の広島とセ・パ同日Vなら、1958年の巨人と西鉄以来59年ぶりとなる。

 表情こそこれまで通り落ち着いていても、さすがに心はざわついていた。前日14日の勝利で、ついにマジックは1。一夜明け、16日の西武戦に備えて東京都内の宿舎へ向かうため、工藤監督は午後1時すぎに福岡空港へ姿を現した。これまでの楽天から、対象チームは西武へと変更。きょう勝つか引き分けるかでVが決定、負ければ持ち越しと、シンプルな戦いへ臨む。

 「対象チームとやれるのはね。直接対決で勝って決められるというのは、選手は全然(気持ちが)違うと思うよ。俺は、何でもいいんだけどね。(V決定が)夜中でも何でも」

 これまではマジックがどれだけ減っても、V決定を意識しない冷静さを強調してきた。だが、実は「対象チームの結果待ち」だろうが何だろうが、形はどうであれ一日でも早く優勝が決まってほしかったのは、指揮官としての偽らざる本音だ。野球の神様の計らいか、今回はマジック1で対象チームとの対戦。勝利の瞬間から、勢いよくそのまま胴上げへとなだれ込める最高の形が待っている。

 2年ぶりに選手らの手で宙に舞う場所が「かつての庭」ということも、指揮官にとっては感慨深いものがある。メットライフドームでは、西武での現役時代(当時は西武球場)に何度も胴上げ経験があるが、忘れられない思い出がある。胴上げ投手にもなった1987年の巨人との日本シリーズ。森祇晶監督を胴上げする際に、輪の中心に背を向け多くのカメラが構える左翼席を向き、ジャンプで万歳を繰り返した。当時の漫画でも取り上げられたほど話題をさらったシーンだ。

 「同期に『目立ちたいから一緒にやってくれよ』って頼まれたからやったんだけどね。監督に背を向けて何してんだ、と後で怒られたけど」

 今となっては、数名の選手が外野席を向き万歳する姿は胴上げシーンの「定番」ともいえるが、その発祥は誰であろう工藤監督だ。87年に「一緒に」と頼んだ同期入団の捕手だった相馬勝也さん(享年50)は4年前に他界した。パ史上最速のVで宙に舞い、外野席を向きジャンプで万歳する選手らの姿に優しくほほ笑む。 (倉成孝史)

=2017/09/16付 西日本スポーツ=

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