ヤフオクドーム勝利の花火上がるまで 地上70メートルに職人親子スタンバイ

西日本スポーツ

 福岡ソフトバンクは18日からCSファイナルステージに臨む。戦いの舞台は開業25年目で最多のシーズン48勝(19敗)、勝率7割1分6厘を記録したヤフオクドーム。圧倒的な強さを誇った本拠地で試合に勝った際に披露されるのが「勝利の花火」だ。どんな仕組みになっているのか。シーズン中のある試合で、天井裏の花火師たちを訪ねた。

 勝利の花火が始まったのはドーム開業3年目の1995年。西日本花火(福岡県篠栗町)の花火師、児島益男さん(79)、長男光男さん(55)の“親子鷹”が担当している。この日は午後1時プレーボール。仕込みは約6時間前の午前7時に始まる。ドーム7階から天井の中心付近にある待機場所(高さ約70メートル)まで幅約1メートル、長さ約100メートルの階段を上っていく。階段は両側に手すりがあるだけ。下を見ると思わず足がすくむ。

 待機場所は円形で半径2~3メートルほどの広さ。夏は40度を超える日もあり、4台の扇風機がフル回転していた。花火は通路から特殊な機械を使って約20メートルの電気導火線をぶら下げ、その先端に火薬の入った花火玉を取り付けている。光男さんは「眼下では選手たちが試合の真っ最中。落下事故は絶対に許されない」。留め具の締まり具合などの確認に余念がない。

 選手のプレー中は階段での移動ができないため、試合開始の1時間前から天井の待機場所に詰める。打者と投手を俯瞰(ふかん)できるだけに、益男さんは「ほぼ毎試合、ここから野球を見ているのでホークスには詳しいよ」と笑う。この日は3-0で快勝。ファンにとっては「歓喜の儀式」の始まりだが、児島さんたちには最も緊張する瞬間を迎える。導火線の先端に付いた花火玉は全部で8発。無線での合図で点火し、大輪の花を咲かせた。

 「ホークスが勝つと、自分のことのようにうれしいよ」と益男さん。2年ぶりの日本シリーズ進出、そして日本一奪還の「祝砲」に思いをはせている。 (文と写真・岡部拓也)

=2017/10/11付 西日本スポーツ=

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