CS初先発のSB5番長谷川勇が鬼走り「背中に送球当たれ」「ケガしてもいい」

西日本スポーツ

 【ソフトバンク それぞれのクライマックス】

 ◆パ・リーグCSファイナルステージ第3戦 ソフトバンク7-5楽天(20日・ヤフオクドーム)

 初回の打球はいかにもボテボテのゴロだった。デスパイネの適時打で追いつき、なお2死一塁。ソフトバンクの5番長谷川勇は、楽天則本にフォークを引っかけさせられた。

 則本はマウンド前方、一塁寄りに転がった打球を処理し、一塁へ送球。ファースト銀次と、打者走者の長谷川が重なっていた。タイミングはアウトだったが、一塁上で銀次が送球を落とす。今CS初安打の内野安打となった。「あれ、ヘッドスライディングやっちゃうと、ファーストは(送球を)捕りやすいんで。あの角度だったら、そのまま駆け抜けた方が背中に当たるチャンスもある。『ちょっとでも背中に当たれ』と思って」。全力疾走も含め、打った後にできることを尽くした結果が、続く松田の一時逆転となる二塁打につながる。

 4回の左翼守備で、岡島の左翼線深くへの大飛球にスライディングキャッチを試みたが、及ばず二塁打にされた。同点とされた直後、5回の打席でも歯をくいしばって走る。フォークに合わせたが、ショートほぼ正面の併殺コース。「うまいこと打ったのに正面いった。腹立ちながら走った。後は、ゲッツーにならんようにと」

 二塁ベースカバーに入ったセカンド藤田が一塁へ転送も、一塁はセーフの判定。スローVTRからは極めて微妙なジャッジに映るが、長谷川の必死さ、ワンバウンドの一塁送球など、複数条件が重なってのことだった。得点にはつながらなかったが、思いは形になった。

 第1、2戦のチャンスで、代打の切り札として起用され、凡退した。2連敗で打線が大幅に組み替えられた中で、長谷川勇に今CS初スタメンの機会が巡ってきた。「今年、則本と対戦してなかった。対戦成績や相性とか、そういうのは度外視して、単純に『流れを変えてくれるであろう』という期待の中で、だったと思う。腹を決めて入りやすかった」

 14年シーズン終了後に手術を受けた右足首は、万全が望みにくい。痛みとは付き合っている。「今から100試合やるわけじゃない。まあ、別に今日でケガしてもいいと思ってやってますし。そう思って今日、僕は挑んだんで」。平然と言った。

 7回の守備で福田と交代した。ベンチが1点勝負へシフトし、長谷川勇は仲間を見守るばかりだった。選手会長は「今日は、いい試合だったんじゃないですか」と言う。「戦術、技術うんぬんじゃなくて、みんなが必死こいてやる。これから…日本シリーズまで勝ち進んでいく中で、基本に立ち返る意味でも、いいきっかけになる試合だったんじゃないかなと思います」。その中の3打席。内野安打1本。見てくれの割に、輝いた。

=2017/10/21 西日本スポーツ=

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