ソフトBゲキ勝!中村晃弾!7番起用「ちょっと楽に」…ヒーロー歓声に涙 2勝2敗並んだ

西日本スポーツ

 ゲキ勝だ!! クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ(S)で連敗スタートのホークスがついに息を吹き返した。打線を大幅に組み替えた工藤公康監督(54)は就任後初めて試合前の円陣で士気を鼓舞。要所で打てず、悔しい思いを抱えていた中村晃外野手(27)が8回に劇的な決勝2ランを放った。打ち勝ったホークスは今CS初勝利となり、アドバンテージの1勝を含む対戦成績を2勝2敗の五分にした。

 一塁ベンチの工藤監督が、背中を反らせて拳を突き上げた。同点の8回2死一塁。身を乗り出し、大きな目で中村晃の白球を追った。右翼席に飛び込んだのを確認すると、感情を抑えきれなかった。負ければ楽天に王手をかけられる正念場で、リーグ覇者がついによみがえった。

 「壮絶な試合。本当によく粘ってくれた。もうとにかく、がむしゃらに。今日の試合だけに集中してみんながやってくれた」

 試合後も興奮が止まらない。口を突いた「がむしゃらに」-。その思いを誰よりも体現したのが工藤監督だった。「全勝突破」を誓いながら、連敗スタート。暗雲が立ちこめ、雰囲気は重苦しかった。試合前のシートノック後。普段は監督室にいるはずの背番号「81」が、ベンチ前にできた円陣の中央にいた。就任3年目で初。選手も驚きを隠せない。その直後に飛び出した言葉も驚きだった。

 「今日からバカになって盛り上げていこう! 絶対、勝つぞ! さあ! いこうっ!!」

 顔を紅潮させ、腹の底から大声を張り上げた。これまでに見せたことがない姿。自らが先頭に立って「バカ」になり、選手を鼓舞した。それだけではない。この日のオーダーは、打撃コーチから提案されたものではなく、自らの考えで決めた。今季わずか1試合のスタメン出場だった城所を2番に抜てき。4番内川、6番松田以外の打順とメンバーを大幅に組み替えた。

 攻めの姿勢が、苦しみの中にいた中村晃にここぞで輝きを取り戻させた。第2戦までに計2安打こそ放っていたが精彩を欠き、19日には好機で送りバントを失敗。切り替えようと努めようとしても、この日の試合中まで「頭の中にバント失敗が浮かんでいた」。それだけに3番から7番に下がったことで「ちょっと楽になった。上位打線が点を取ってくれたし」と、いい意味で肩の力が抜けた。

 ヒーローは自分自身への怒りから、値千金の一発を放ちながらも鬼の形相でベンチに戻った。チームメートから手荒い祝福を受け、9回の守備に就く際にはスタンドから割れんばかりの「中村コール」を送られた。「本当に、仲間がたくさんいるんだと…」。孤独を感じていた男は胸を揺さぶられた。気が付くと、熱い涙がほおを伝っていた。挑戦者に徹する楽天の果敢な攻めの前に苦しんできたが、むき出しの闘争心ではね返した。もう恐れるものはない。星は五分でも形勢はホークスに傾いた。 (倉成孝史)

 ソフトバンク王会長(CSファイナルS3戦目での勝利に)「中村(晃の2ラン)と内川の3ランと、やっぱりホームランの威力は大きいね。(試合で勝って)選手たちがすごく楽になるんじゃないかな」

=2017/10/21付 西日本スポーツ=

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