ソフトB清宮逃すも隠し玉・吉住ゲット

西日本スポーツ

 清宮ゲットならずも日本一だ! 福岡ソフトバンクの工藤公康監督(54)が26日のドラフト会議でまさかの「3連敗」を喫した。25日の公表通り、高校通算111本塁打の早実高・清宮幸太郎内野手(3年)を1位指名。7球団競合のくじを外すと、その後2度競合した外れ1位のくじも当てられなかった。それでも最終的には指揮官も推薦していた最速151キロの隠し玉右腕、山形・鶴岡東高の吉住晴斗投手(3年)の交渉権を獲得。「勝負勘は鈍っていない」と、明日28日からの日本シリーズへ向けて強い意気込みを見せた。

■ドラフトは「縁」

 円卓の椅子に座った工藤監督が、思わず困惑と苦笑いが入り交じった複雑な表情を浮かべた。清宮の抽選に外れ、続く3球団競合の安田の当たりくじも逃した直後。「三度目の正直」で指名した馬場も阪神とかぶった。くじ引きのため壇上に登ると、同じく2連敗中だった金本監督と何やら会話。内容は「内緒」としたが、互いの気持ちを共有し封筒を開くと、またまた当たりくじは入っていなかった。

 「(3度目は)もう、重ならないでくれ、という思いではいたんですけど。まあ、素晴らしい選手はどこの球団も欲しいというのは分かりますし…」

 大きな期待を背負っていただけに、まさかの3連敗にさすがの指揮官も肩を落とした。清宮の指名を公表した前日25日には、王会長が「彼の強運にね」と昨年まで2年連続で1位のくじを当てていた工藤監督に期待。「やっぱり会長がね、直々にというか思いを込めていた選手なので。その期待に応えてあげたいと思っていた」。3連敗の事実より、やはり清宮の当たりくじを引けなかったことに大きな悔しさをにじませた。

 ただ、ドラフトを「縁だと思っている」と話すだけにすぐに前を向いた。4度目の1位指名で最速151キロの隠し玉右腕、吉住の交渉権を獲得。指揮官は「今はまだ細いところがあるけど体にバネがある。昔でいうと渡辺久信選手のように直球で押していける投手」と西武での現役時代の同僚を挙げて評す。以前に映像を見た際も、自ら編成部門に上位指名を推薦していた投手だ。今年はシーズン94勝を挙げるなど現有戦力は整っており、未来のホークスを明るく照らす1位指名になったことは確かだ。

 3連敗を喫したが、くじ引きの順番は今季の順位で決まるため、工藤監督は3度とも最後の残りものを引かされた。「そこに関しては私に運がなかったということ。すんませんでした」と頭を下げたが、すぐに意地も見せた。3度とも壇上では半透明の箱を見ながら「それが当たりだ」と思った封筒を引かれ、いずれも当たりだったという。

 「(指名選手を)引きたかったし、引けなかったことは残念。ただ勝負勘が鈍ってないことは確認できたから」。27日の日本シリーズ前日練習のため、3連敗直後には会場を後にし福岡へと戻った。失われていない「勝負勘」で、必ず日本一の頂へ上ってみせる。 (倉成孝史)

■王会長清宮にエール「期待の星。チャレンジを」

 王球団会長の思いは届かなかった。編成会議が行われた25日は母校・早実高の後輩でもある清宮の1位指名を珍しく公言。「やっぱり魅力がある。順調に育ってほしいし、育てたい」と熱烈ラブコールを送っていたが、残念な結果に終わりガックリ肩を落とした。

 「残念だけど、しょうがないね。あれで(当たりくじが)残っていたら出来レースと言われる。(工藤監督の抽選も)残りくじ、残りくじだから、仕方ない」

 縁がなかったとはいえ、現実を受け入れたくなかったのだろう。2巡目以降も支配下選手の選択が終わるまで会場に残り指名の結果を見守ったが、どこか上の空といった様子だった。

 ただ、球界を代表する選手に育ってほしいとの思いは変わらない。交渉権を獲得した日本ハムに入団すれば同一リーグでの対戦が待つ。「プロ野球界全体の期待の星だからね。あとは選手として自分がどこまで上がれるか、チャレンジしてほしい」。最後は熱いエールを送った。

=2017/10/27付 西日本スポーツ=

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