ソフトB中村晃、次こそ日本一弾 5回に一時勝ち越し2ラン

西日本スポーツ

■悲愴感はなく

 盛り上がるDeNAファンを、一振りで黙らせた。逆転を許した直後の5回。デスパイネの犠飛で追い付いて迎えた、2死一塁からだ。中村晃はフルカウントから、石田の138キロ直球を振り切った。高く舞い上がった打球は飛距離十分。4番筒香の逆転弾で絶頂に達したDeNAファンが大挙する、右翼スタンド中段に飛び込んだ。一時は勝ち越しの2ランに、一塁ベースを回る際には両手を広げガッツポーズ。ベンチでは笑みがはじけた。

 DeNAの粘りの前に屈する形でチームは連敗。だが、悲愴(ひそう)感はなかった。「これだけアウェーの状況で、なかなか勝てない。勢いが全然違う」。声援に後押しされたDeNAの迫力に驚きながらも、中村晃は前を向いた。

 苦しんだシーズンだった。初めて規定打席に到達した2013年から3年連続で3割をマークしたヒットメーカーは、今季は13年以降でワーストの打率2割7分にとどまった。夏場には「もう今年、バッティングの状態が上がることはない」と漏らしたこともある。

 ただ、中村晃の価値はヒットを打つことだけではない。リーグ5位の67四球を選び、出塁率は3割5分5厘。守備での貢献も大きく、シーズンは松田とともに全試合に出場した。

■勝負強さ発揮

 野球の神様は裏切らない。2連敗でスタートしたCSファイナルステージ第3戦、8回2死一塁から決勝の2ランを放ち、お立ち台で涙した。フォア・ザ・チームの男の頭にあったのは第2戦で犯したバントミス。第4戦では決勝アーチを打ち、日本シリーズ第2戦では今宮の「神の手」を呼び込む決勝打を放った。勝負強さを見せつけているが「たまたまです」と浮かれることはない。

 この頂上決戦では苦しさから解放されている。「みんな、楽しんでやっている。ここまで来たら(雰囲気が)悪くなるとかない。福岡に戻って、思いっきりやりたい」。もう一度、声援を力に変えて日本一へ駆け上がる。 (鎌田真一郎)

=2017/11/03付 西日本スポーツ=

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