ソフトBドラ1吉住、投手歴は高校から…で151キロ ルーキー履歴書・後編

西日本スポーツ

 【ソフトバンク ルーキーたちの履歴書・後編】

 今秋のドラフトでソフトバンクが指名した支配下5選手の足跡を追う特集企画。ドラフト1位、吉住晴斗投手(17)=山形・鶴岡東高=の後編では、伸びしろ十分のスケール感に焦点を当てる。

⇒【前編】競争率19.2倍クリア SBドラ1吉住は五輪選手の卵だった

 山形県内の優れた才能を発掘する同県の事業「YAMAGATA ドリームキッズ」の運営事務局には、小6時の吉住が担当者と面談した際の記録が残っている。「将来は甲子園に行きたい。プロ野球選手になりたいし、WBCにも出たい」。五輪など世界に通用する人材を育てるこの事業はプロのない競技が中心で、野球は組み込まれていない。「自分よりも身体能力の高い人たちがたくさんいて刺激になった」と振り返るが、野球に集中するため中2の春に1年前倒しして自らプログラムを離脱した。

 鶴岡第二中では主に軟式野球部に所属。当時は外野手や遊撃手といった野手がメインで、投手経験は「他に投げられるやつがいなくて(中学の)最後に少し」という程度だった。思うように上達できない葛藤などから「中学で野球をやめようか」と揺れ動いた時期もあるが、周囲の誘いもあり鶴岡東高に進学した。

 入学時は身長181センチ、体重67キロ。細身ではあったが、野球部監督の佐藤俊は走るスピードやフォームに身体能力の一端を見た。体格などを総合的に判断した上で、投手として育成する方針を決定。筋力トレーニングで土台をつくらせると同時に「近い距離のキャッチボールでも思い切り投げるように」と助言した。

 練習での投げ込みは多くても1日100球程度に制限。練習試合を多めに組む方針も、投手経験が浅く伸び盛りの素材には合っていた。入学時に130キロ前後だった球速が2年春には最速141キロまでアップ。「1年間のトレーニングで驚くほど成長した。能力は底知れない」と佐藤は当時を回顧する。同年夏の甲子園で背番号11をもらいベンチ入り。1回戦で敗退したものの、最後の8回に2番手でマウンドに上がった吉住は1イニングを三者凡退に抑えた。

 ソフトバンクはその頃から徹底マーク。今夏に埼玉県内で行われた練習試合では、担当スカウトの作山が持ち込んだスピードガンで151キロと初の大台を計測した。甲子園出場は逃したものの現在、体重は85キロ。全国的には無名だった“隠し玉”の逸材が、たくましさを増した体でプロの世界に飛び込む。=敬称略

 ◆特技はスイーツ作り

 父英則は結婚式場のシェフで、母真由美は高校の調理科の講師。自宅に多数のレシピ本、冷蔵庫には常に多めの食材がある環境で育った。小学校高学年の頃には、両親が帰る前にレシピを見てクッキーを焼いたりプリンを作ったりしていたという。「高校に入ってからはなかなか(作る)時間はなかったけど、普通に食べられるのを作れますよ」。自慢の右腕が生み出すのは剛球だけではないようだ。

 (次回はドラフト2位、専大・高橋礼の前編

=2017/12/08 西日本スポーツ=

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