ソフトB和田 松坂世代の火消さぬ 熊本で“旗振り役”誓った

西日本スポーツ

■復興野球教室

 「戦友」に誓った松坂世代の意地-。福岡ソフトバンクの和田毅投手(36)が9日、プロ16年目となる来季へ、完全復活の思いを新たにした。熊本県嘉島町で行われた「復興野球教室」に巨人の杉内俊哉投手(37)やホークスOBの新垣渚氏(37)らと参加。今年は斉藤和巳氏(40)=本紙評論家=も加わり、かつての「先発4本柱」が“復活”した。松坂大輔投手(37)がホークスを退団するなど球界を引っ張ってきた世代へ逆風が吹き付ける中、日米通算131勝左腕が復権への旗振り役となる。

■「ローテを守る」

 見慣れた笑顔が並ぶ。それぞれの立場は違っても、固い絆で結ばれた関係には変わりない。熊本での“同窓会”で確信した和田が熱い胸の内を明かした。

 「まだまだ、しっかりとできるんだというところを僕ら同級生でやっていきたい」。同世代の“顔”だった松坂や、巨人の村田が退団。「寂しさもあるけど、つらい。まだまだ能力的にもやれるのに」と口にした自身も左肘を手術したこともあり4勝にとどまった。

 「年齢が高くなればなるほど若い子に切り替えられる。自分も米国でそういう経験をしている。結果で示していくしかない」。来年2月で37歳。若くはないが、寄る年波に流されるつもりはない。既に16年目となる来季に向けたトレーニングをスタートさせており、これから徐々に強度を上げていく。「1年間ローテを守ることが大事」。最多勝と勝率第1位の2冠に輝いた2015年シーズンの投球を再現できれば、05年の下柳剛(阪神)と並ぶ球界最年長(37歳シーズン)での最多勝獲得も夢ではない。

 もう一つ、果たせていないままの「約束」もある。お互いにライバルと認め合う杉内との真剣勝負での投げ合いだ。昨年も同じ野球教室に参加した杉内は、右股関節の形成手術からの復活を期しオープン戦では投げ合いが実現したものの、左肩痛を発症したため1軍では登板なしに終わった。杉内も思いを共有している。「最後の悪あがきがしたい。日本シリーズで投げ合いたい」と力を込めた。

■杉内との「約束」

 間もなく迎える新年へ、モチベーションは高まったはずだ。同世代の杉内、新垣に加え、今回は「先発4本柱」の中心だった斉藤氏も顔をそろえた。「ユニホームを着ている和巳さんと接するのは久しぶり。僕たちの目標だったから」。常勝ホークスの“象徴”でもあった4人衆。語り合った中で、和田は第一線で踏ん張り続ける責任と意味をあらためて感じ取った。

 この日の野球教室には熊本県内の小中学生約340人が集まった。「昨年と変わらず、みんな元気いっぱいで目がキラキラ輝いていて…。(熊本地震で)まだまだ大変な思いをされて過ごしているご家庭や子どもさんがいる中、逆に僕らが勇気をいただけた」。時代を知るファンにはたまらない先発4本柱の“再結成”に会場は大いに盛り上がった。その熱気をエネルギーにして和田が不屈の誓いを立てた。 (谷光太郎)

◆先発4本柱

 エース斉藤が20勝で最多勝に輝き、2年目の杉内が10勝、ルーキーの和田が14勝、新垣が8勝を挙げた2003年に確立。同年からの4シーズンで斉藤と和田が4度、新垣が3度、杉内が2度の2桁勝利をマークし、多くのタイトルを獲得。2000年代の王ホークスの黄金時代を支えた。

■斉藤氏 球児に「失敗を恐れないで」

 斉藤氏が懐かしいユニホーム姿を披露した。2013年途中で現役復帰を断念し退団。現役時代は「負けないエース」としてホークスを引っ張った。野球教室では「失敗を恐れないこと。次に失敗しないためにどう立ち上がるかが、うまくなるための近道」と子どもたちに語り掛けた。「いっぱい失敗しすぎて、不名誉な記録を持ってる人もいるんでね」。暴投のプロ野球記録を持つ新垣氏に目をやると、会場は笑いに包まれた。

=2017/12/10付 西日本スポーツ=

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