伊万里、初甲子園なるか 東筑「夏春連続」心待ち 26日にセンバツ選考委

西日本スポーツ

 第90回記念選抜高校野球大会(3月23日開幕・甲子園球場)の出場36校を決める選考委員会が26日に行われる。九州地区の21世紀枠候補に選ばれている伊万里(佐賀)は昨秋の佐賀大会で準優勝し、九州大会に1950年春以来135季ぶり2度目の出場を果たした。同枠に選ばれれば春夏通じて初の甲子園だ。所在地の伊万里市は2013年に「『目指せ!甲子園』プロジェクトチーム(PT)」を発足。バックアップを続けた地元も吉報を待つ。九州大会4強の東筑(福岡)は、昨夏もエースとして甲子園に出場した右横手の石田旭昇(2年)が98年以来20年ぶり3度目の選抜出場を待ち望む。 (米村勇飛)

 グラウンドの南にそびえる腰岳、通称「伊万里富士」をバックに、マネジャーも含めた36人の部員が動き回る。「とにかく時間がない。短い時間に集中してやる」と伊万里の吉原彰宏監督。練習は短いときでわずか90分間。メニューは分単位で細かく刻まれている。

 ノックは全体を2班に分けて実施。片方がシートノックを受ける間、もう1班が一、三塁側のファウルグラウンドで打撃マシンを使ってゴロ処理を練習し、10分後に交代する。「動かない時間をつくらない」のがモットーだ。

 進学校で週3日は7時限授業。午後7時15分完全下校のため、その30分前に練習を終える。練習後に塾に通う部員もいる。そんな練習環境でも、犬塚晃海主将(2年)は「限られた時間内に集中して取り組むので、試合につながる」と効果を口にする。

 昨秋の佐賀大会で快進撃を見せた。3回戦で佐賀商を5-4、準々決勝で佐賀北を4-1と全国制覇経験校を撃破。準決勝でも多久を2-1で破り、3試合連続逆転勝ちで九州大会切符をつかんだ。2011年夏に唐津商を甲子園に導いて1勝も挙げた吉原監督は「勝つ中で自信を深めたと思う。選手たちは苦境を自分たちで打破できる力がある」と振り返る。

 伊万里市からは過去に伊万里商が06年春、伊万里農林が09年夏に甲子園に出場し、ともに初戦敗退。当時の盛り上がりを受け、甲子園初勝利も視野に、同市は13年に伊万里商工会議所や同市観光協会などと一体になり「『目指せ!甲子園』PT」を発足させた。社会人の西部ガスの協力で小中学生対象の野球教室や甲子園での観戦などを実施。技術向上と裾野拡大とともに、地元への愛着を深めてもらって市外への人材流出を防ぐ狙いだ。

 中学時代にPTの野球教室にも参加した犬塚は「貴重な経験だった」と振り返る。甲子園出場となればPT発足後初。同市の担当者は「選手の頑張りがあるのは前提だが、取り組みの効果が表れてきたのでは」という。

 佐賀県勢の選抜大会出場も07年の小城以来ない。犬塚主将は「多くの人に期待してもらえるのは力になる。(出られれば)勝ちたい」と胸を躍らせる。焼き物の町は朗報を待ちわびている。

   ◇    ◇

 伊万里の躍進の理由について「投手力の安定化が大きい」と吉原監督は語る。右腕の山口修(2年)は現チームから背番号1。最速125キロながらカーブ、スライダー、佐賀商戦で初めて投げたチェンジアップを織り交ぜ、コースを突く投球で打たせて取る。九州大会初戦の沖縄尚学戦では、完投も被安打12で8失点。山口修は「九州大会では最後に下半身に疲れが出たので、走り込み、スクワットを続けた。あの悔しさを選抜でぶつけたい」と意欲を見せた。

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 創立120周年の区切りを迎えた東筑は、福岡の公立校では61年ぶりとなる夏春連続出場の朗報を心待ちにする。出場校選考で重要な資料となる昨秋の九州大会で4強入り。出場が決まれば、同じ北九州市のライバル小倉が1956年夏、57年春に連続出場して以来となる。

 大黒柱のエース石田は「期待されている。できるなら、今度は校歌を歌いたい」と力を込める。昨夏は初戦敗退した済美(愛媛)戦で8回途中10失点。九州大会も準決勝の富島(宮崎)戦で5回5失点で敗退。いずれも制球の乱れが響いた。

 この冬は体幹強化と同時に投球フォームも修正した。以前は上半身が前に突っ込んで制球が不安定になっていたが、軸足のためを意識することで改善。「球のばらつきがなくなった。今後は球の伸びでも勝負する」。直球の球威も増した石田は自信を口にした。

 ◆21世紀枠 選抜高校野球大会出場校の選考枠の一つ。甲子園への出場機会を広げるため、2001年から導入された。練習環境などのハンディ克服や地域貢献など戦力以外の要素も加味して選出する。原則として秋季の都道府県大会で参加校が128校を上回る場合は32強、それ以外の場合は16強以上の成績を残した学校を対象に全国9地区から1校ずつ推薦。9校を東(北信越、東海以東)と西(近畿以西)に分けて1校ずつ選び、残り7校から3校目を決める。同枠の過去最高成績は01年の宜野座(沖縄)と09年の利府(宮城)の4強。

 ◆伊万里高校 1916年、伊万里町立伊万里実科女学校として創立した県立校。49年に現校名。普通科。主な卒業生に陶芸家の十四代酒井田柿右衛門(故人)、NHKアナウンサーの松尾剛ら。理化・生物部による伊万里湾のカブトガニの調査研究なども有名。生徒数は595人(女子316人)。佐賀県伊万里市二里町大里甲2600。犬塚加代子校長。

=2018/01/24付 西日本スポーツ=

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