ソフトB新加入の西田「事実と向き合えていなかった」楽天での自分に決別

西日本スポーツ

守備練習で軽快な動きを見せる西田 拡大

守備練習で軽快な動きを見せる西田

7日の西武戦の6回無死、二塁打を放つ西田

 ホークスの選手の本音に迫るインタビュー企画「キーマンに聞く」、今回は二塁手争いの真っただ中にいる西田哲朗内野手(26)を直撃した。楽天からトレードで加わった新戦力は、遊撃が本職ながら捕手以外の全ての内野をこなし、新たに外野に挑戦することも決定。9年目で新天地に身を置く現状をルーキーイヤーと重ね合わせる。今春キャンプで工藤公康監督(54)が選ぶMVPにも輝いたニューフェースが胸の内を明かした。 (聞き手・構成=鎌田真一郎)

 -チームにすっかり溶け込んだように見える。

 「明るいチーム。声を掛けてもらえて、とてもやりやすいです」

 -外から見ていたイメージと、実際に加入して感じる雰囲気の違いは。

 「対戦相手として見ていても明るかったけど、いざ入ってみるとやっぱりすごい。でもその中には厳しさがあって、なあなあではない。チームの士気が上がるようなプラスになる声が多いので、作戦ミスがあっても一声で盛り上がる。キャンプでも感じたのは、年上の人たちが率先して声を出して、プレーでも引っ張っていること。その姿を見ていたら、僕たちがやらないわけにはいかない。周りからはホークスには20代後半の野手がいないと言われるけど、それは悔しい。なんとかしたい」

 -キャンプ中、度々「もっとうまくなりたい」という言葉を口にした。

 「今はそれが本音。まだまだ実力が足りない。レギュラーを取るとか、そんなことを口にできるレベルではないことは自覚している。とにかく技術を上げていくしかない。その中でチームに必要な存在になれればいいと思っている」

 -環境が変わったことで考え方も変わったか。

 「一度シーズンを通して試合に出た(2014年に自己最多の131試合に出場)ことがずっと頭の中に残っていた。過去のことだと分かっているけど、その事実に正面から向き合えていない自分がいた。自分の実力不足なのに使ってもらえないことにいらだっていたような感じだった。でも、チームが変わって吹っ切れた。またゼロからやるしかないので。高卒でプロの世界に入ってきたときと同じで、今はまた、ルーキーイヤーみたいな気持ちでやれています」

 -新人のころはどんな思いで野球をしていた?

 「不安だらけだったけど、希望の方が大きかった。それは今もそう。去年までは前が見えなかった。『これをやってどうなるんだろう』とか余計なことを考えていた。今は無の状態でゼロからのスタート。それが1、2、3と上がっていく。今まで5ぐらいまでいったのがゼロになった。楽天では5、6から先に進むイメージが見えなかった。ここから7、8、9、10と先へおきたいけど、それは自分次第なので」

 -新天地では内野だけでなく外野にも挑戦することになった。

 「今まではショートがメインだったけど、幅が広がって内野全体、さらに外野となり毎日が新鮮。自分でもどんどん吸収しているのが分かるので楽しさもある。全ポジションを守れるに越したことはない。でも一番は打撃が良くないと使ってもらえない。メインは二遊間なので守備へのアンテナも高くなるけど、ファーストの時はより打撃へと頭を切り替える感じ。打てて、なおかつ守れればいいと思っています」

 -外野の経験は。

 「小学生で野球をやり始めたときとか、中学時代に鼻が折れたときにもやっていました。去年か、おととしにも1回だけ『外野も守っておけ』と言われたときがあって、打球を捕ったこともあった。もともと不得意ではないけど、プロなのでそう簡単なものでもないとは思っています」

 -グラブの数も増える一方では。

 「実は今、グラブケースにファーストミットが四つ入っています。『これ、いいぞ!』と薦められることが多くて。それに内野用グラブが二つ。外野用もまた頼まないといけない。キャンプで、最初に四つあった内野用を二つに絞ったところなんですけどね」

 -「一番は打撃」ということだが、打撃も楽天時代とは変えている。

 「今は基本的に右方向を重視している。右を狙うとヒットが増えるので。そのうち、自然と長打は出るかなと。まだ出ていないですけどね。楽天では、もともと本塁打とか長打も求められていた。でも野球は確率のスポーツ。ここ(ソフトバンク)ではまず、確率を上げたいと思っている。去年までは打撃練習でも『ホームランを打ちたい』という意識があった。自分でも長打が特長だと思っていたので。でも、まずはバットに当たらないと意味がない。いい当たりでもアウトはアウトだし、悪くてもヒットはヒット。三振せず前に飛ばせば何か起こると思っている。とにかく結果を出していきたいです」

 ◆西田哲朗(にしだ・てつろう)1991年9月4日生まれ。大阪府出身。関大一高からドラフト2位で2010年に楽天に入団した。自己最多の131試合に出場した14年の最終戦で、故星野仙一さんが監督時代の最後の4番を務めた。180センチ、78キロ。右投げ右打ち。

◆二塁候補は4人

 工藤監督がレギュラーとして選手名を明言していないポジションは捕手、二塁、右翼。二塁は明石が離脱し、現状の候補は川島、高田、西田、本多の4人だ。7日までのオープン戦4試合で本多は二塁のみを守ったが、他の3人は試合途中からも含め複数ポジションをこなしている。西田はオープン戦で10打数3安打、そのうち2安打が二塁打と長打力でもアピールしている。

=2018/03/09付 西日本スポーツ=