伊万里(佐賀)「えー、そこ引く!?」 第4日第2試合・大阪桐蔭と対戦
初出場の甲子園で、これもいきなりの“大ホームラン”なのかもしれない。伊万里が初戦の相手に引き当てたのは、大会連覇を狙う優勝候補筆頭の大阪桐蔭だった。
「いろいろと複雑なんですけれど、最初に思ったのは『しまった』というか…。それが、正直な感想です」
犬塚晃海主将(3年)が手につかんだ「23」のくじ。大阪桐蔭の札がつり下げられていた右横が、その枠だった。アナウンスの瞬間、会場は大きくどよめいた。大半は「ウチでなくてよかった…」との安堵(あんど)のため息だろう。
何しろ、今年の大阪桐蔭は、エース柿木をはじめ、内外野に投手もできるスーパーマルチの根尾らドラフト1位候補が6人もいるといわれる超スター軍団。しかも地元で、最新のヒット曲や話題曲を取り入れた応援スタイルにも定評がある。初戦からいきなりこんな学校とは当たりたくない-。吉原監督も苦笑いを浮かべるしかなかった。
「えー、そこ、引くって感じでしたね。想定外も想定外。決まった感想ですか? うーん、言葉が…。見つからない」
昨秋の公式戦のチーム打率を比較しても、伊万里が2割6分7厘で、大阪桐蔭は3割5分2厘。本塁打0の伊万里に対し、大阪桐蔭は13試合で11本。守っては伊万里は6試合で24失点に対し、大阪桐蔭は13試合で15失点と差は歴然だ。「すべてが強いとしか言えないですね」と吉原監督も本音を口にした。とはいえ、挑戦者としては、これ以上の相手もいない。
「一人一人に、そんな力はないですから、粘って、全力でいいゲームにしたい」と吉原監督が言い切れば、犬塚主将も「とにかくすごいチーム。相手にのまれず、自分たちのペースで吹っ切ってやれたら」と全員野球を強調。思い切りぶつかって横綱を吹っ飛ばす。 (喜瀬雅則)
=2018/03/17付 西日本スポーツ=