八幡、15年ぶりに九州大会勝った 選抜出場の富島を撃破 春季九州高校野球

西日本スポーツ

 高校野球の春季九州大会(第142回九州大会)が21日、福岡県の久留米市、小郡市両野球場で開幕し、1回戦4試合を行った。地元開催の福岡勢はこの日2校が登場。24季ぶり出場の八幡はエース岸本泰青(3年)が被安打8で完投して選抜大会出場の富島(宮崎)に3-2で競り勝ち、九州国際大付は初出場の東明館(佐賀)を2-1で下した。選抜大会8強で昨秋に続いて九州王者を目指す創成館(長崎)は5回に3番野口恭佑(3年)の適時三塁打などで文徳(熊本)に5-4で逆転勝ち。初出場の未来沖縄は4-2でれいめい(鹿児島)に勝った。

熱い気持ちを持ちつつ、頭は冷静だった。9回のマウンド。八幡の岸本は昨秋の苦い経験を思い起こしていた。真颯館に3-5で逆転負けした秋季福岡県大会3回戦。「9回に3-1をひっくり返された。2人の走者をバントで送られて、走者をためて…。最後は甘くなった球を打たれた」。2点リードから1死二、三塁のピンチを招いた展開までまったく同じ。違ったのは、その後の投球と結果だった。

 犠飛で1点差に迫られ、なお2死二塁のピンチ。ここで左打席に中川大輝(3年)を迎えた。選抜大会でも2安打1打点と勝負強さが光った富島の主将だ。「歩かせてもいい。投げ急がず、外の際どいところを突こうと」。この試合の114球目。カウント2ボールからの外角球に中川が手を出してくれた。ウイニングボールは左翼手のグラブに収まった。選抜出場校を撃破した瞬間だ。

■球速よりリズム

 春の福岡県大会は6戦40得点の強打で準優勝。打線の陰に隠れた岸本が、九州大会では2003年春以来15年ぶりとなる八幡の白星に導いた。直球の自己最速は129キロ。力でねじ伏せるタイプではない。意識するのはリズム。捕手の山本亮太(3年)から返球してもらうやいなや投球動作に入る。名前の「泰青」には「どんなことにも動じない泰然自若とした男になるように」との親の思いが込められている。右横手からシンカーとスライダーを落ち着いて投げ分け、要所を締めた。

■来年創立100周年

 「九州大会で勝つことが目標だった。接戦で勝てたのは大きい」。水江亘監督も目尻を下げた。スタンドでは応援団と吹奏楽部を含む生徒、保護者、同窓会のメンバーら約300人が声をからした。1919年に開校し「八高(はちこう)」の名で親しまれている伝統校は、来年創立100周年の節目を迎える。しかも八幡地区で同じ公立進学校の東筑が2季連続で甲子園に出場。「きょうの1勝は自信になった」。ヒーローとなった岸本がほおを紅潮させた。50年春以来の甲子園へ、機運は高まるばかりだ。 (西口憲一)

◆岸本泰青(きしもと・たいせい)2001年2月23日生まれの17歳。福岡県中間市出身。中間南小2年から「中間南ドリームス」で軟式野球を始め、6年から投手。中間南中では軟式野球部。八幡高では2年秋からエース。175センチ、68キロ。右投げ右打ち。

◆八幡高校メモ 1919年に八幡中学校として創立し、48年に現校名。普通科と理数科。甲子園は50年春に1度出場し1勝。主なOBは舛添要一前東京都知事、84年ロサンゼルス五輪野球日本代表を監督として金メダルに導いた松永怜一、現ソフトバンクホークス投手の中田賢一。北九州市八幡東区清田3の1の1。内村尚俊校長。

=2018/04/22付 西日本スポーツ=

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