久光で“中田バレー”熟知 日本女子代表キャプテン、岩坂名奈 就任2季目の自覚

西日本スポーツ

■来月今季初の国際大会

 バレーボールの日本代表女子の今季公式戦が、新設のネーションズリーグ(5月15日開幕。昨年までのワールドグランプリを男子のワールドリーグと統合)から始まる。就任2季目の中田久美監督(52)に主将を任されているのが、福岡市出身の岩坂名奈(27)=久光製薬=だ。今季の国際大会は8~9月のアジア大会(ジャカルタ)、9~10月の世界選手権(横浜アリーナなど)と合わせて三つ。いずれも2020年東京五輪に向けた大事な強化の場となる。久光製薬時代からの恩師の下、日本を引っ張る。 (伊藤瀬里加)

 バレーボール人生で初めてという主将も2季目を迎える。東京五輪を2年後に控え、岩坂の責任感も増した。

 「昨年以上に結果が求められる。今までよりチームを戦う集団にして、団結できるように全力でやるのみ」

■187センチ長身ミドル

 今季挑む三つの国際大会で最大のターゲットは日本開催の世界選手権。銅メダルを獲得した2010年以来2大会ぶりの表彰台を目指す中田ジャパンをけん引していく。

 中田監督の1季目だった昨季はアジア選手権で5大会ぶりに頂点に立ち、ワールドグランプリでは6年ぶりにブラジルを撃破。「アジア選手権で表彰台に上がれたことがうれしかった。協会の方々、スタッフ、皆が支えてくれた」と手応えを得た一方で「チームをうまくまとめられず、主将としても、選手としても中途半端なプレーで終えてしまった」と不完全燃焼の思いもある。

 身長187センチのミドルブロッカー。サーブ力と高さを生かしたブロック力に定評があり、攻撃参加の増加を目標に掲げる。主将としても「『このチームを引っ張っていく』という思いを、練習からみんなに伝わるように取り組みたい」と誓う。

 主将の要請を受けたのは昨春。中田監督からLINEでメッセージが届いた。中田監督は依頼した時の様子を「(岩坂から)いっぱい『汗』マークが来ましたね。『やってくれなきゃ困る』と送って『私でいいんですか?』と言われて『いい』って」と振り返った。

■初の五輪目指す

 普段はおっとりとした口調で、中田監督も「強烈なキャプテンシーがあるかと言われたら、ない」と断言。ただ「このチームを短期間でチームとしてつくりあげないといけないとなったときに“嫌われ役”を覚悟してくれる人は岩坂だけ」とも語った。

 岩坂は久光製薬で中田監督の下で数々のタイトルを獲得し、日本トップクラスの選手に成長。指揮官の求めるバレーを心得ていることが主将指名の決め手になった。「監督のバレーについて伝えるべきことを伝えたい」と語る主将を、中田監督は「曲げないところは曲げない。気配りもできる」と評した。

 岩坂は12年ロンドン五輪世界最終予選のメンバーとなりながら、本大会では落選。16年リオ五輪にも出られなかった。「ここ(代表)に戻って来ることができたのも、久美さんのおかげ。五輪でメダルを取ることが一番の恩返し」。1964年東京五輪から56年後の東京で頂点に。「新・東洋の魔女」誕生へ新たな道を切り開く。

    ◇      ◇

■「18年、大事なシーズン」20年見据え

 17日の日本代表発表記者会見で、中田監督は今年臨む三つの国際大会の位置づけを説明した。「2020年を最終目標としたとき、18年は非常に大事なシーズンになると思う」。新設のネーションズリーグは若手中心で臨み、チームの土台をつくる場とする。五輪と同じ国際総合大会のアジア大会にはベストメンバーで臨む予定で「選手村での生活を経験する。AD(資格認定証)の枚数次第で、そこに入れないスタッフも出てくる。そういうことをシミュレーションして、どういう課題が出るのか知りたい」と話した。今季最大の目標である世界選手権ではメダル獲得を目指す。

◆過去の主な五輪日本代表主将

 バレーボール女子が初めて採用された1964年の東京五輪で主将を務めたのは、河西昌枝(故人)。実業団の「ニチボー貝塚」を中心とした「東洋の魔女」をまとめ、金メダルを獲得した。やはり頂点に立った76年モントリオール五輪の主将は飯田高子。近年では、2004年アテネ五輪が吉原知子(JT監督)、08年北京五輪が竹下佳江(北九州市出身、ヴィクトリーナ姫路監督)、銅メダルを獲得した12年ロンドン五輪が荒木絵里香(トヨタ車体)、16年リオデジャネイロ五輪が木村沙織(17年に引退)だった。


 ◆岩坂名奈(いわさか・なな)1990年7月3日生まれの27歳。福岡市南区出身。高宮中で本格的にバレーボールを始める。大分・東九州龍谷高2年時に全国高校選抜優勝大会で優勝。卒業後の2009年、久光製薬に入社。同年に日本代表に初選出される。代表では11年ワールドカップ、13、17年のワールドグランドチャンピオンズカップなどに出場。187センチ、75キロ。最高到達点は300センチ。

=2018/04/28付 西日本スポーツ=

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