バングラ出身、侍に憧れ 玄界高・ハク選手 補欠の新米剣士「来年は試合に」

西日本新聞

 玉竜旗男子が開幕した27日、玄界(福岡)のハク・アリフ選手(2年)=バングラデシュ出身=は補欠として仲間が戦う姿を見守った。「みんな強そうで、雰囲気にびびった」。チームは初戦敗退。侍に憧れる新米剣士はほろ苦い玉竜旗デビューに、来年こそ大舞台に立つことを誓った。

 バングラに生まれ、2歳で留学生の母親と来日。以来、家族と福岡県で暮らし、中学1年で日本国籍を取得した。剣道経験はまったくなかったが、高1の夏、主将でクラスメートの谷脇侑人選手(2年)に誘われて剣道部に入部。映画「るろうに剣心」を見て、侍に憧れていた。「初めて道着を着て、竹刀を持った時はかっこよくてうれしかった」

 チームはようやく部員が6人そろって、10年ぶりの玉竜旗出場がかなった。いわゆる弱小校だが、剣道歴が最も短いハク選手は補欠に回された。迎えた市岐阜商(岐阜)との初戦はわずか10分で惨敗。正座をしたままのハク選手は、膝に置いた手を固く握りしめて仲間の奮闘を見つめた。

 試合後の第一声は「足めっちゃしびれた~」。応援の女子部員たちの前でおどけてみせ、沈んだ雰囲気を和ませた。「アリフはいつも笑ってる。負けても明るくしてくれる」と女子部員の横山芳春さん(2年)。

 それでも、笑顔の裏で、全国各地から集まった高校生剣士に圧倒されていた。自宅ではバングラの生活習慣を続けているため、正座もお辞儀も苦手だが、「礼儀作法からちゃんと覚えないと全然だめ。恥ずかしくない剣道をしたい」と反省の言葉が口を突いた。

 「緊張とわくわくする気持ちとぐちゃぐちゃだった。来年は絶対に自分も団体戦の仲間に入りたい」。大きな目の新米剣士は、少しだけ成長していた。

=2018/07/28付 西日本新聞朝刊=

PR

玉竜旗 アクセスランキング

PR

注目のテーマ

福岡ソフトバンクホークス アクセスランキング