東海大星翔いざ35年ぶり聖地へ 独特習慣で「考える野球」実践

西日本新聞

 35年ぶりに甲子園出場を果たした東海大熊本星翔は、ノーシードながら県内61チームの頂点に立った。野仲義高監督は「うちは攻守ともに県内トップではないが、試合に勝つために『自分にできることは何か』を考えてもらう指導に徹した」と語る。

 6月の練習試合。エース山下朝陽(あさひ)投手は、低めのスライダーで相手の4番打者を三ゴロに抑えた。ベンチに戻った山下投手に、野仲監督は「あの打者を打ち取る他の球種はなかったか」と問いかけた。

 実戦で好プレーを見せた選手にも、他の選択肢を考えるよう常に促しているという。「選手にプレーの引き出しを増やしてもらうため」(監督)だ。

 「考える野球」には、自己分析が欠かせない。普段の練習から、選手自身が「強み」と「弱み」を把握し、相手のペースに流されないように意識付けを徹底してきた。投手陣は同じ球種を10球連続投げて、球種ごとのストライクの割合を分析。打者は、異なるタイミングで鳴る笛に合わせてティーバッティングをする。

 象徴的だったのが、熊本工との決勝戦だ。2点差を追う3回無死一塁、打者は2番中嶋大晴選手。2ストライクと追い込まれたが、ファウル6回と粘った末に適時打。チャンスを広げて、4番竹下翔梧選手の逆転3ランを呼び込んだ。

 「全員が気持ちいいバッティングをしていては勝てない」。そう語る中嶋選手は、ファウルを打つ練習を続けてきた。2番打者としての地道な努力が、大一番での勝利につながった。

 「自分やチームの実力を理解している選手は、好機に強い」と野仲監督。江頭麗(れん)主将も「どんな強豪校でも同じ高校生。気持ちで仕掛ける野球もある」と意気込む。「考える野球」を掲げる東海大熊本星翔は、甲子園の舞台でどのような戦いを見せるのか。目が離せない。

=2018/08/03付 西日本新聞朝刊=

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